セラミド配合化粧品の選び方

セラミド配合化粧品 選び方【2015年版】

セラミド配合化粧品の選び方サイトを見るときの心構え

「どうせ自分の商品を売りたいんだろ?」

そう思われた方、その考え方は正しいです。

むしろ、それくらい斜に構えて情報を処理するくらいの心構えが大事。

そのまま鵜呑みにするのはあまり賢いとはいえません。

 

セラミド商品を売っていれば、それに有利になる情報を流したいわけだし、

一見、第三者に見えても、裏でつながっている場合もあります。

また、「化粧品はすべて毒だ」という価値観の人にはセラミドも毒なわけで、

そういう人が正しい情報を提供しているかは怪しいです。

セラミドの専門家も、専門家であるがゆえに、わが子を見るような

贔屓目でみてしまいがちです。


もちろん、ここも例外ではありません。

予めご了承くださいませ。



セラミド配合化粧品を使う目的

セラミドは最も保湿力のある成分である・・・

実はこれ、半分本当で、半分は間違いです。

保湿力を見るためによく使われる経皮水分蒸散量(TEWL)、

これは肌からどれだけ水分が蒸発したかを見るものです。

上図はヒアルロン酸入りローションを使ったときの経皮水分蒸散量を測定したもの。

ヒアルロン酸入り化粧水を使った場合、30%以上水分の蒸発を抑えることができた・・・

という結果になっています。

こちらは天然ヒト型セラミドの経皮水分蒸散量を示したもの。

縦軸の単位が違うので比較しにくいわけですが、

結果として30%、皮膚からの水分蒸発を抑えたという結果です。


さて、どちらも30%の水分の蒸発を抑えたわけです。

ただ、同じ経皮水分蒸散量(TEWL)を調べてはいますが、

全く別の実験で比較することはできません。


どのような形状だったのか、濃度はどのくらいなのか、

どんな人を使ったのかなどなどで、全然データは変わってしまいます。


何が言いたいかというと、セラミドは化粧品として保湿力は別に突出しているわけではないということ。

肌から水分を逃がさないようにするのであれば、合成ポリマーの方がより良い数字がでます。


では、なぜセラミドが保湿力最強と言われるかというと、

肌の保湿をしているのはセラミドであり、ヒアルロン酸でもコラーゲンでもないからです。

肌に水分を閉じ込めているのは紛れもなくセラミドなんです。


そして、セラミド配合化粧品を使う目的は、肌のセラミドを増やすこと

あなたの肌本来の保湿力を取り戻すことです

一番最初の図の未処理区が1.4という数字でしたが、

これを1.3、1.2にするために使うわけです。




目的別、セラミドの選び方

セラミドといっても、色々あります。

どれが良いかは目的によって異なります。


【擬似セラミド】

セラミドの構造も真似た物質です。

セラミドとは別物なので、お肌のセラミドを補うことはできません。

しかしながら、肌の表面に膜を作り、浸透しないので、肌に刺激を与えません。

肌荒れが酷く、刺激を与えたくないときには最適です。

【植物セラミド】

セラミドにグルコースが結合したグルコシルセラミドです。

セラミドに糖が結合した状態なうえ、セラミドも非ヒト型です。

お肌のセラミドを補うことはできません。

しかし、経口投与ではお肌のセラミドが増えることが確認されています。

塗るよりもサプリメントでとるのがオススメです。

【馬セラミド】

馬の脊髄から抽出した、セラミドにガラクトースが結合したガラクトシルセラミド。

植物セラミドと同様、糖セラミドであり、非ヒト型なので、

直接的に肌のセラミドを補うことはできません。

ただし、セラミド合成を促進作用が確認されていますので、

間接的に補うのであれば、ありです。

【ヒト型セラミド】

ヒトにあるセラミドと同じ形のセラミド。

合成セラミドと言われ、石油から合成されていると思われがちですが、

植物、菌由来です。

お肌のセラミドを直接補うのであれば、ヒト型セラミドしかありません。

 

ヒト型セラミドを見極める

ヒト型セラミドが使われているかどうかは、

成分表示に「セラミド」と書かれているかどうかを確認すればOK。

 

セラミドの後ろに数字が書かれており、セラミド1とかセラミド2とか書かれています。 

ただ、最近はローマ字表記になりつつあります。

セラミド1とかセラミド2とかいう表記は日本だけで、国際的にはローマ字表記です。

数字でないとヒト型セラミドでないと思っている人もいるので、補足しておきます。

 

セラミド1=セラミドEOP

セラミド2=セラミドNS

セラミド3=セラミドNP

セラミド5=セラミドAS

セラミド6=セラミドAP

セラミド9=セラミドEOS

 

ヒト角質セラミド

 


どのヒト型セラミドを選ぶべき?

ヒト型セラミドにも色々あるわけですが、

どれを選べばいいのでしょう?


ヒト型セラミドに種類が沢山あるのは、そもそも肌のセラミドに

沢山の種類があるということ。

大分類では11種類、細かく分けると342種類以上あるといわれます。


ですから、できるだけ多くの種類を取るのが望ましいです。


全てというのはなかなか難しいので、

最低限押さえておきたいのはセラミド3とセラミド6。

加齢で激減するセラミドと言われています。

そして、最近注目が集まっているのはアシルセラミド

超長鎖脂肪酸をもつセラミドで、セラミド1、セラミド4、セラミド9が該当します。


肌のバリア機能を持つ細胞間脂質は常時のように、

水と油がセラミドを介してミルフィーユのような多層構造を形成しています。

重なっているだけでは非常に脆い構造なわけですが。

アシルセラミドが楔になって、構造を強固なものにしています。


セラミドを補うことを目的としているなら、アシルセラミドは必須です。

折角セラミド補充しても、アシルセラミドがないと脆いバリア層しか作れないからです。


アシルセラミドの有無は一番最初に確認すべき項目です。

 

 

セラミド配合化粧品の形状は何が良い?

セラミドは溶けにくい物質です。

水に溶かすのはとにかく困難を極めます。

そのため、セラミドを補うのに化粧水は非常に不向きです。


水に溶けるように加工された原料もありますが、

原料の段階でセラミド濃度が1~10%になります。

それをさらに薄めるので、必然的に薄くなります。 


また、化粧水は容量が多いので、クリームなどと濃度を合わせようと思うと、

非常にコストを圧迫します。

 

30gの1%は0.3g、

100gの1%は1g、

3倍以上の原料コストがかかってしまいます。

(水溶性の原料を使うので、1%ならその原料100%使わないといけなくなりますが笑) 


できれば、クリームか美容液のものを選んだほうが間違いは少ないです。

 


セラミドの濃度

原料メーカーのセラミド推奨濃度は0.05%が一般的。

それ以上含まれていれば、沢山含まれているといってもいいです。

個人差もありますが、それ以下の濃度ではセラミドを増やしていくのは難しいです。


年齢肌によりセラミドの減少は、セラミド分解がセラミド合成を上回っているから。

セラミドの量を増やしたいなら、セラミド分解量を上回らないと増えていきません。


また、セラミド3のデータではありますが、0.2%も0.5%も結果に差がほとんどありませんでした。

濃いに越したことはないのでしょうが、費用対効果を考えた場合、0.5%も入れる必要はないです。


さらにセラミドプレミックス(セラミド1、2、3、6、9)とセラミド単体(セラミド3)で比較した場合、

セラミドプレミックス0.05%とセラミド単体0.5%が同じ結果を示していたので、

種類は多いほどよいと推測されます。



まとめ

・セラミド配合化粧品を使うのは、セラミドを補うため

・セラミドを直接補うのはヒト型セラミドのみ

・ヒト型セラミドの種類は多いほうがよい

・セラミド1の配合は必須

・セラミド濃度は0.05%以上のものを

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