皮膚保護作用を有するセラミドの生理作用発現機構に関する研究

セラミドは神経機能も維持しているのだとか

セラミドと言えば、外的なアレルゲンなどから肌を守るバリア機能と、

水分の蒸発を防ぐ保湿成分として知られていますが、

もっと色々しているという話です。

 

最近の脂質研究の進展により、

セラミドがバリアや保湿目的の構造物としてだけでなく、

細胞内において、その機能を調節する生理活性を有する物質

でもあるわけです。

 

例えば、全体のバランスを保持するために特定の細胞が

積極的に死を迎えるメカニズムであるアポトーシス、

細胞の分化誘導などに、セラミドが関わることが明らかにされているそうです。


皮膚に存在するセラミドは、皮膚周辺における細胞間情報伝達を介した、

ダイナミックな皮膚構造の維持に関与する可能性が考えられます。

 

血管であったり、神経であったり、その他の組織形成にも

影響があるのではないか?と。

 

喩えるなら、今までは壁と思われていたセラミドが、

実は大工の棟梁で、あれこれ指示しているのかも・・・

という話です。

 

今回は、神経細胞の機能維持に関しての論文を見つけたので、

そのご紹介になります。

 

神経機能に影響を与える神経栄養因子の生合成に

セラミドが作用しているか調べる実験では、

 

細胞に外来性の C2-セラミドと C6-セラミドを添加して培養すると

どうなるかを観察しました。

 

結果として、神経モデル細胞である PC-12 を分化させる因子の分泌を促した・・・

つまり、未発達の細胞を神経細胞に変えるための物質を

沢山作ったということです。

 

さらに、酵素を加えて、細胞に作用させて細胞内セラミドを増加させると、

神経栄養因子の生合成・分泌が促進されたとか。

 

もう少し、色々な実験をしていましたが、

結局は、細胞の神経化にはセラミドが不可欠であるとの

結論の証明作業なので、端折ります。

 

 

そう、結論として、

セラミドは肌の神経系にも大いに関与し、

特に肌の神経細胞の制御を行っている

ということが証明されたわけです。

 

それ以外にも、肌のあらゆる組織への

生合成に関与していることを示唆するわけです。

 

もう、何言ってるかわけわかりませんね。

 

かなり乱暴な言い方をすると、

あなたの肌はセラミドに制御されていると

言うわけです。

 

乾燥が老化の最大の原因だ、

ということを述べてきましたが、

 

もっと言えば、セラミド不足が、

老化の最大の原因になるのではないか?

ということです。

 

前回紹介した論文は、セラミドが免疫系を制御

しているという話でした。

 

アポトーシス(自然細胞死)を誘発することから、

肌細胞の構造上の制御にも関与しています。

 

今回は神経細胞を制御しているという話。

 

 

もし、セラミドが不足していたら、

免疫系の異常を抑えることができませんので、

炎症が起きやすくなります。

 

細胞異常を放置することは、シミなどが

できやすくなります。(残り易い?)

 

伝達系の老化は、筋肉のたるみに直結します。

 

血管にも関わってたら、血色も悪くなるでしょうし、

養分、酸素が送られてこないので、代謝も鈍るでしょう。

 

まあ、あくまで可能性の話で、

セラミドがすべてというつもりはありませんが、

 

セラミドを補って損することはないと思いません?

 

 

<<<前                                 次>>>