スフィンゴミエリンはセラミドの前駆物質です
スフィンゴミエリンを経口投与すれば、
体内の酵素によって代謝され、セラミドになる
という話をしました。(雪印の論文の話です)
スフィンゴミエリンというと分かりにくいですが、
ミルクセラミド、乳由来の天然セラミドと
呼ばれるものとご理解ください。
余談ではありますが、ヒトの体の
スフィンゴ脂質のうち、85%がスフィンゴエミリン
であり、細胞膜の脂質の10~20%を占めている物質です。
特に神経伝達に深く関与し、
認知症改善のためのプロジェクトも
国家レベルで行われているとのこと。
(それは鳥の皮からとったスフィンゴ脂質ですけどね)
肌になるのは確かですが、
肌になるのもある、というレベルです。
コラーゲンを取ると、アミノ酸に分解されて
吸収されるので、肌のコラーゲンに再合成
されるのは極わずかだ、という理論と同じです。
サプリとして取るなら、ミルクセラミドよりも
グルコシルセラミドのほうが、効果は高いの
だろうな~というのはあります。(実体験的に)
まあ、食べるセラミドはさて置き、
保湿効果はあるけど、肌のセラミドには
なりえないという話はしてきました。
では、同じセラミド前駆物質の
スフィンゴエミリンは塗ったら効果があるのか?
という話ですが、
そもそも、スフィンゴミエリンは、
セラミドとホスホコリンから形成されています。
(ホスホコリンが何者かはよくわからないですが)
切り離せばセラミドになるわけですが、
角質層にその酵素は存在しません。
(表皮にスフィンゴミエリンが酵素によりセラミドとなり、
角質層へ上がってくる経路が正規のルートであり、
肌から入ってくることは肌にとっては想定外なわけです)
グルコシルセラミド同様、保湿作用はあると思います。
ただ、これが肌でセラミドになるわけではありません。
最近の技術では、
スフィンゴミエリンをナノ化し、
角質層下へと浸透させるということもできるそうですが、
それがセラミドとして上がってくるタイムロスを
考えれば、セラミドを直接塗ればいいのでは?
と、身も蓋もないことをいってみたり。
ヒト型セラミドは色々できているわけですからね。
一応、スフィンゴミエリンを皮膚に塗って、
セラミド産生を促すかどうかを検証した論文はあります。
ただし、「検証した」だけであり、
セラミド産生を促進することが「示唆された」わけではないみたい。
現段階では研究中といったところなのでしょう。
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