牛乳は健康にいい?害になる?
前回、乳由来のスフィンゴエミリン(セラミド前駆物質)
を取るのに、牛乳飲めばいいとの記事を書いたら、
「牛乳は健康に悪い」
とのご指摘を受けました。
学校給食に牛乳を出すようになって、
アレルギーが増えたとか、
牛乳に含まれるガゼインは発ガン性物質だとか、
などなど・・・
この「食べてはいけない」系の情報って、
事実を湾曲して伝えているので、
良本とは言い難く、むしろこの情報が「害」だと
さえ言われている昨今。
まず、牛乳の飲むと、お腹がゴロゴロなる方。
これはラクターゼと呼ばれる酵素が不足しているからです。
ラクターゼとは、乳糖を分解する酵素です。
それがないと、乳糖が分解できないため、
おなかを下すわけです。
我々は皆、母乳で育つわけですから、
ラクターゼを元々は作ることができます。
自然界では乳離れした後、ラクターゼは不要になるので、
成長と共に作らなくなります。
ただ、人間は作らなくなる人と、作り続ける人がいるわけです。
遺伝的な要因が強いです。
牛乳アレルギーも似たようなメカニズムで、
ガゼインやβラクトグロブリンを完全な形で分解できずに、
吸収してしまったものが異物として認識され、
アレルギー症状がでます。
大豆、サバ、卵など、高タンパクなものの
アレルギーも同様です。
消化酵素が不足し、未消化のタンパク質を吸収してしまうのです。
牛乳が悪いというよりも、
そういった体質であるとの認識のほうが正しいでしょう。
結論を言えば、飲める人は飲めばいいし、
飲めない人は飲まないほうがいいわけです。
極論を主張する人は、たいてい情報が偏ってます。
話半分くらいのつもりで聞いた方がいいです。
我々の世界は牛乳で左右されるほど、
単純ではありません。
複雑に複数の要因が絡み合っているのですから。
あと、補足ですが、成長期は牛乳を飲むと、
骨が丈夫になる、背が伸びると言われますが、
成長期以降は過剰な摂取は、
骨を弱くします。
カルシウムパラドックスと呼ばれる現象です。
牛乳のカルシウムは非常に吸収性が高いです。
そのため、血中でカルシウム濃度が上がります。
血液のカルシウム濃度は1%に保たれているので、
余分なカルシウムを外へ排泄しようとします。
しかし、排泄しすぎて、今度は不足するわけです。
血中のカルシウムを増やすために、骨からカルシウム
を放出します。
これを繰り返すと、骨が弱くなります。
高校生ならいざ知らず、社会人になっても
1日1リットル飲んでしまうという人は、
気を付けたほうがいいです。
また、女性ホルモンが少ないと、
骨は作られないでの、更年期以降は、
牛乳よりもイソフラボンが取れる豆乳を飲むべき
ではあります。
牛乳を飲んでも骨は丈夫にはなりませんが、
イソフラボンを取れば丈夫になりますから。
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