老化に関わる要因は様々
老化の仕組みに関する種々雑多な学説が古来より提唱されてきました。
しかし老化の機構が科学的に充分に明らかにはなっていません。
その学説としては、
①プログラム説
死は遺伝子によって決められたプログラムであるとする考え方。
テロメア説もその1つ。
②突然変異蓄積説(エラー蓄積説)
突然変異などによる細胞異常が蓄積することで、
機能の衰えがでてくるという考え方。
細胞がガンすることが例として挙げられます。
③酸化ストレス説(フリーラジカル説)
リンゴが変色するように、ヒトの体も酸素によって
犯されていくという考え方。
おそらく、一番支持されている考え方だと思われます。
あとは、
消耗説、
(生きているだけで、
我々は消耗しているという考え。
酵素寿命説などもその1つ。
酵素は有限で、酵素が作れば、死ぬという考え)
脳寿命説、
(脳細胞や脳内分泌物に限界がある
とする説で、脳幹の若さ=肉体の若さとする九嶋学説などがある)
などありますが、サプリメントを売るうえで、
よく使われます。一般的ではないと思います。
結局は、全部が色々と複合的に作用するので、
どれも決定的な説とはならないのでしょう。
「寿命は神様が決めている」
とのほうが一般的には受け入れられいるのでしょう。
(世界的には)
さて、そんな中、最近注目されている(再注目?)のが、
抗老化ホルモン『クロトー』
これはプログラム説の遺伝子説を
支持するものでもあるし、消耗説を支持
するものでもあります。
また、活性酸素を無毒化する酵素、
SODの活性もするので、酸化ストレス説にも
関わるかな?
簡単に言えば、クロトーと名付けられた遺伝子を
破壊したネズミは、早期老化が始まり、
クロトーの増産量を増やしたネズミは寿命が延びた
という話です。
当時は、カルシウムホメオスタシスの制御因子であり、
老化とはまた別の仕組みだとし、大きな注目には
なりませんでした。
ただ、このクロトーというたんぱく質が、
人間の生体システムを成立させている
重要な『鍵』であるのは間違いなく、
その具体的な構造と機能の解明が急がれているわけです。
ホルモンであれば、微量で多大な効果を上げます。
例えば、成長ホルモンは抗老化作用がものすごく強いです。
(ホルモンの多い少ないは消耗説ですね)
もし、クロトーが量産できれば、
画期的な抗老化薬としての期待はできるわけなのです。
ちなみに、クロトーとは、
ギリシャ神話の、運命の糸を紡ぐ女神の名前です。
「割り当てる者」ラケシス、「断ち切る者」アトロポス、
合わせて三女神により、人の寿命は決められている
というお話。
「糸」=「遺伝子」を連想させるところが、
なんともユニークなところではあります。
また、やっぱり寿命は神様に委ねたいという
心理の表れなのかもしれませんね。
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