腸内は戦国時代なのです

腸まで届く乳酸菌は、腸に定着するのか?

腸には100兆個を超える腸内細菌が住んでいます。

人の細胞よりも多いわけです。

 

腸内フローラと呼ばれ、

それぞれの菌が、共存、拮抗しながら

生活しています。

 

腸内環境がよい、悪いを決めるのは、

腸内にいる菌の勢力関係によってきまります。 

 

各菌たちは、少しでも自分たちの領土を広げようと、

虎視眈々と狙っています。

 

腸内は常に戦国時代。

隙あらば、攻め込もうとしているわけです。

 

ちなみに、俗にいう善玉菌、悪玉菌の他に、

日和見菌と呼ばれるものがいます。

強いほうにつく菌ですね。

7割近くが日和見菌であると言われます。

 

つまり、ちょっとした均衡の崩れで、

腸内勢力が一変してしまうわけです。

 

さて、この腸内細菌ですが、

最近の研究では家族間で受け継ぐことが

分かっています。

 

自身が持っている遺伝子レベルに、

かなりの影響力がある・・・といわれます。

 

なんせ、腸内細菌の遺伝子の量は・・・

人の20~30倍。

 

何を分解して、何を吸収するかも、

腸内細菌次第・・・

 

例えば、太る太らないも、遺伝子以上に、

腸内細菌の影響のほうが強いとか。

 

また、長寿についても、長生きする腸内細菌群と

そうでない腸内細菌群があるとか。

 

で、ぶっちゃけこれらの菌叢を変えるのは容易ではないわけです。

 

乳酸菌を食べればOK?

いえいえ、そんな話は簡単ではないわけで。

 

乳酸菌をとっても、ほとんどは腸内に定着

できません。

 

その理由は、腸内が戦国状態だから。

各菌はそれぞれの領土を守っています。

のこのこやってきた、よそ者を受け入れるような余裕はないのです。

 

では、なぜ、乳酸菌をとるといいのでしょ?

 

 

こんな話を聞いたことないでしょうか?

「乳酸菌は生きてても、死んでても、

効果が変わらない」

 

未だにこの議論は決着していませんが・・・

サプリメント業界では、効果は変わらない、

というのが主流のスタンスです。

 

結局は、乳酸菌が生きていようと、死んでいようと、

乳酸菌の餌になるだけなんですよ。

 

乳酸菌の栄養素としては、

一番いい状態のものですからね。

 

オリゴ糖とかと、そんなに変わらないわけなのです。

 

方や、ヨーグルト業界では、生菌でないと

ダメ的な感じをだしています。

 

●●株が癌に効くとか、花粉症に効くとか、アトピーに効くとか。

 

ただ、その菌が定着しているかというと、

答えは「否」

 

腸への定着を謳ている菌もいますが、

その恩恵は微妙なところではあります。

 

簡単に言えば、

効果=腸への定着

ではないわけです。

 

現段階では、腸内細菌をコントロール

することはできていませんが、

 

遺伝子を直接コーディネートするよりは、

腸内細菌をコーディネートする方が

現実的なような気がします。

 

そういう時代は、そう遠くないの・・・かもしれません。