食用油 トランス脂肪酸とは?

有害なトランス脂肪酸って何?

バターとマーガリン、どっちが体によい?

そんな議論が今でもされます。

まあ、ぶっちゃけると、どっちもよろしくないわけですが、

バターのほうがましって感じですか、今のとこ。

 

一昔前は、動物性よりも植物性のほうがよいということで、

マーガリンがもてはやされました。

 

しかし、マーガリンにはトランス脂肪酸が多いということで、

立場が逆転しました。

 

欧米では規制されている、トランス脂肪酸

世界保健機関(WHO)は2003年、

「トランス脂肪酸量は総エネルギー摂取量の1%未満とすべき」と勧告。

表示を義務化した国もあります。

(輸出するとき、トランス脂肪酸の分析値が必要になります)

2006年には米国ニューヨーク市がレストランでのトランス脂肪酸禁止を通告。

去年は米国でトランス脂肪酸の使用を全面的に禁止の方針を示しました。

 

一応、国内でも問題にはなってますが、

・日本人はトランス脂肪酸の摂取量及びエネルギー比が

欧米人に比べて少ないから安全


・日本人はトランス脂肪酸の害を低減するリノール酸の摂取量が

欧米人に比べて多いから問題ない


・マーガリン及びショートニング(食用加工油脂)はいろいろな

加工食品に使われていて、食生活を豊かにすることに役立っている

 

との理由で規制対象でもなければ、表示義務もありません。

 

トランス脂肪酸の何が悪い??

多く食べると狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患の

リスクが高まると言われています。

 

1)悪玉コレステロールの増加により、心臓疾患などのリスクが高まる
トランス脂肪酸の作用として、悪玉コレステロールといわれている、

LDLコレステロールを増加させます。

血中のコレステロールのほとんどは肝臓で作られるわけですが、

コレステロール調整機能のバランスを崩し、善玉コレステロールといわれている

HDLコレステロールを減少してしまうといわれます。


 結果、動脈硬化を促進し、心臓疾患のリスクを非常に高まるというわけです。

 

2)ぜんそく、アレルギー、アトピー性皮膚炎を引き起こす恐れがある

トランス脂肪酸が取り込まれると、本来のシス型脂肪酸と

立体構造が異なるため、細胞膜が不安定な状態になるといわれます。


そこから有害なウイルスや細菌が進入しやすい、

バリア性の弱い肌り、アトピーになりやすいというわけです。

 

また、日本人の平均では、皮下脂肪の中に約4%のトランス

脂肪酸が含まれています。

しかし、アレルギーのある場合はもっと多量のトランス脂肪酸が

含まれているという相関があります。

大人になって突然、アレルギーになった原因の1つが、

トランス脂肪酸の蓄積ではないか?ともいわれています。

 

また、トランス脂肪酸を体外に排出するのに、

多量のビタミン類やミネラルを消費する事もわかっています。

それに伴う欠乏症のリスクも高まります。

 

3)トランス脂肪酸をたくさんとっている人ほど、ボケやすい 

米国シカゴ均衡に住む65歳以上の住民8500人を、

長期追跡した結果、トランス脂肪酸をたくさんとっている人ほど、

認知機能が早く低下する「痴呆」のリスクがあることを伝えています。

 

神経細胞にも脂肪酸は重要な役割を果たします。

セラミドは脂肪酸を素材に作られていますが、

神経細胞の増殖には欠かせません。

 

トランス脂肪酸により、その機能が低下したものが

できてくると、結果として脳内での機能低下につながる

のかもしれません。

学力という点から見ても、悪い影響がある可能性さえあります。

 

結局、トランス脂肪酸って何?

トランス脂肪酸とシス脂肪酸

トランス型は点対称、

シス型は線対称になる構造をしています。

 

トランス型脂肪酸は天然には微量しか存在しません。

 

どこで混ざってくるかというと、

天然の食用油を加工して、マーガリンやショートニングなどを

製造する際に、副産物として混入してきます。

 

ショートニングはパン、菓子の記事、揚げ物などに使われています。

仕上がりをパリッとさせる効果があります。

 

ジャンクフードの類は含まれていると考えて間違いないでしょう。

 

 

加工品に多く含まれるわけですが、

トランス脂肪酸に限らず、体に悪いのは重々承知のことだと思います。

 

結局、健康に気を付けて食事をしている人には関係ない話ですし、

気を付けていない人にも、同じく関係ない話なので、

まあ、問題にはならないってことなのでしょう。