悪玉菌が増えるとぜんそくなどのアレルギー症状が悪化する
筑波大学の渋谷彰教授らは15日、
腸内の悪玉菌と呼ばれる菌がぜんそくを悪化させる仕組みを
マウスを使った実験で解明したと発表した。
腸内細菌のバランスの乱れが、喘息を悪化させるメカニズムを解明
ある種の抗生物質を飲み水に混ぜてマウスに2週間与えた後、
アレルギーの原因物質を吸入させてぜんそくを発症させたところ、
症状が重くなりました・
5種類の抗生物質を使っていますが、
この抗生物質がないかは詳細が明かされていません。
アレルゲンはパパイン、ダニ抗原。
そのマウスの腸内を調べたところ、
乳酸菌などの善玉菌が減り、
カンジダというカビの一種が異常に増えていました。
その結果、プロスタグランジンE2と呼ぶ物質が血液中で増え、
肺の中で免疫反応を引き起こす細胞が増えてアレルギー反応が強まる
ことが明らかになりました。
プロスタグランジンE2とは、皮膚炎などを引き起こす
生理活性脂質の代表格。
アラキドン酸カスケードと呼ばれる一連の反応により
生産されます。
カンジダを殺すか、プロスタグランジンE2を抑制する薬剤を
マウスに投与すると、ぜんそくの症状が改善しれることから、
ヒトにも有効な治療法になる可能性があるとされます。
腸内細菌のバランスが崩れることで、喘息以外にも
炎症性腸炎やアトピー、糖尿病など様々な病気を引き起こします。
それらも同様の仕組みであると推測されるわけです。
さて、この実験での考察ですが、
一番重要なのは、アレルギーと腸内環境が
密接に関係しているということ。
腸内環境の改善がアレルギーの改善につながる
ということが示されたわけです。
腸内の善玉菌が減り、かわりにカンジダ菌が異常に増えると、
アレルギーが起こるので、カンジダ菌を減らせばよいという訳です。
カンジダ菌とは、酵母の姿をした菌類の属名。
味噌などの発酵に関与するものから、カンジダ症を引き起こすものまで
幅広い種類が存在します。
ヒトの体表や消化器系に存在し、普段は特に悪さをしない、
日和見菌でもあります。
もう1つは、抗生物質が腸内環境を壊すということ。
当たり前に実験方法として取り入れているところから、
医学界では常識的なことなんでしょうね。
抗生物質もアレルギーを悪化させる1つの要因になるということです。
対策は?
カンジダ菌を減らすには、
動物性のものを極力減らすようにすると効果的だそうです。
腸内環境を良くするイメージの強いヨーグルトですが、
カンジダ菌に関して言えば、望ましくないと言われます。
肉、卵、牛乳、などを減らし、
食事の8割以上を植物由来にし、
できるだけ、自然な形のままでとることを
心がけると良いそうです。
(加工食品では意味がないということ)
また、マーガリンは植物性ですが、
トランス脂肪酸が多く、アレルギーの原因にもなるので、
避けるべきです。
揚げ物もNG。
これは、カンジダ菌を増やさないようにすると共に、
アラキドン酸を増やさないための食事です。
アラキドン酸は必須脂肪酸ですが、過剰にあると
アレルギーを悪化させる素になります。
また、蠕動運動を促進するために、
食物繊維を多くとったり、
キノコ類で免疫力を上げるというのも1つの方法。
サプリメントなどで乳酸菌をとるのもいいのかもしれません。
(その際は、生きてても死んでてもあまり関係ないです)
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