レスベラトロールで長生きするというのは・・・ウソだった?
高脂肪の食事がもたらすリスクを赤ワインで回避できるとする
「フレンチ・パラドックス」には問題があるとする研究が、
12日の米国医師会内科学雑誌
(Journal of the American Medical Association Internal Medicine、電子版)」に掲載されました。
※フレンチ・パラドックスとは、フランス人は脂っ濃い食事をしているにも
関わらず、心疾患の割合が低いことが観察されたことからできた造語。
フランスと言えばワインということから、ワインに何かしらの有効成分があるのでは?
ということから、レスベラトロールの発見に繋がりました。
研究によると、赤ワインに豊富に含まれている抗酸化物質の「レスベラトロール」
に人を長生きさせる効果は認められなかったとのこと。
レスベラトロールには、炎症、心臓血管疾患、がん、寿命などへの実質的な効果を持たないことが示された形になります。
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールについては、
動物を用いた過去の実験で、健康に良い効果を与える可能性が示されてきました。
(テロメアの再合成、サーチュイン遺伝子の活性化など)
今回の研究は、イタリア・トスカーナ(Tuscany)地方の2つの小さな村に住む
65歳以上約800人を対象に行われ、食事を通して摂取したレスベラトロールが、
健康促進に効果を与えているかどうかを調べました。
結果として、1998年に研究を開始してから9年間で被験者の34%が死亡。
レスベラトロール濃度と早死にとの間に相互関係を見つけることは
できなかったそうです。
また、がんや心臓疾患の発症とレスベラトロール濃度との間にも、
特に関連性を見出すせなかったそうです。
まあ、過去にもレスベラトロールの効果は
人では否定的な論文は沢山出ているわけで、
その理由としては、それ以外に寿命を決める要因が多すぎます。
何百人も同条件下で、何年も観察することは実質不可能ですから、
動物実験のような結果がでないのも当然ではあります。
今回の結果は、あくまでレスベラトロールの効果があることを確認できなかった、
のであって、レスベラトロールに効果がないとの証明ではないです。
ですから、レスベラトロールを摂取することが無意味である
というわけではないと思います。
何かしら意味はあるかもしれないが、
運動、食事、睡眠、その他モロモロの要因を総合すると、
寿命には与える影響は大きくはない・・・のかも。
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