教科書に書かれている類の話です
酵素を一言でいうと「生体触媒」ということになります。
触媒とは、化学反応を促進する物質で、それ自体は変化しないものを言います。
例えば、ナチュセラプロテクトに使われている金コロイド。
抗酸化成分は、ほとんどが活性酸素と結びつくことで、
活性酸素を無毒化します。
活性酸素 + ビタミンC ⇒ 酸化ビタミンC(こういう表現はしないけどね)
一方、金コロイドは
活性酸素 ⇒ 酸素
という反応を引き起こしますが、金コロイドは変化しません。
金コロイドは金属ですが、
酵素はタンパク質からなる触媒、というわけです。
酵素の特徴は、
基質特異性とがあり(基質とは、反応させる物質)、
1つの酵素は1つの働きしかしません。
例えば、唾液に含まれるアミラーゼは
デンプンを麦芽糖(二糖類)に分解することができますが、
それ以外は分解しません。
全ての生体反応に酵素が必要で、
手を動かすなどはもちろん、何を食べようかと考えるのさえ、
酵素を必要とします。
そのため、体内には5000種類以上もの酵素が存在すると言われています。
もう1つの特徴は、最適温度と最適pHがあります。
温度に関しては、37~40℃前後をピークに活性が高まります。
体温が1℃下がると、酵素活性が40%低下します。
そして、40℃を超えたあたりから、活性が低下していき、
60℃近くで完全に失活します。
元々タンパク質なので、熱をかけると変性していまいます。
真っ赤なお肉をしゃぶしゃぶすると、白くなりますが、
あれと同じことが酵素にも起こるわけです。
ですから、「酵素は熱に弱い」と言われるのです。
また、最適pHがあるのは、口の中と、胃と腸で、pHが違うから。
胃でタンパク質を分解する酵素、ペプチンは最適pH2くらいになっています。
小腸でタンパク質を分解する酵素、トリプシンはpH8くらいが最適になります。
小腸はアルカリ気味のためです。
酵素単体で働くものもありますが、
多くは補酵素を必要とします。
酵素の働きを補う物質、それがビタミン、ミネラルです。
例えば、コラーゲンを合成するには、ビタミンCと鉄が補酵素として
必要になります。どちらも不足しがちな栄養素なので、
コラーゲンを取ってい入るけど、効果がないって人は、
もしかしたら、補酵素不足なのかもね。
この酵素は、生物が生物たらしめるもので、
もし、酵素というものができなければ、生命は存在しえない、
というくらい重要なものです。
例えば、デンプンからブドウ糖を作ろうと思ったら、
莫大な熱エネルギーが必要になります。
それを36℃前後で行ってしまうわけです。
また、ブドウ糖からエネルギーを引き出す一連の反応も、
酵素のオンパレードです。
酵素がなければ、食べ物を消化吸収することもできないし、
消化吸収したものをエネルギーに変えることすらできません。
そのため、酵素は微生物からヒトまで、
ほとんど同じ遺伝子、ほとんど同じ分子構造を取っています。
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