美容成分の有効濃度はどのくらい?

化粧品原料って、思っている以上に低濃度で作用しているんですよ

セラミドのメーカー推奨量はセラミドとして0.05%です。

私の知る範囲でってことですがね。

これって、すごい小さい数字で、小数点以下のパーセンテージなんて、

銀行の金利くらいしか日常で見ることはないです。


サプリメントでは、メーカー推奨量って

「おいおい、こんなに入れたら原価がえらいことになっちゃうんですけど」

という感じの設定が多かったので、

化粧品業界の推奨量の謙虚さはちょっと驚きました。


例えば、アーティチョーク葉エキス。

サプリメント原料は推奨150mg/日。

1ヶ月分で商品設計すると、4.5g必要になります。

価格は化粧品原料の3倍くらいするので、

実際にこの量入れようと思うと、これだけにするか、

高額商品にするとかになってしまいます。


化粧品原料のアーティチョーク葉エキスは推奨濃度3%。

原料として、アーティチョーク葉エキスは1%品なので、

アーティチョーク葉エキスとしては0.03%になるわけです。

100mlの化粧水に入れようと思うと、3ml必要になります。

原価で考えると、化粧品原料は1/3以下で済むわけです。


ちなみに、アーティチョーク葉エキスは3%でデータを取っているので、

アーティチョーク葉エキスとしては、わずか0.03%ですが、

効果はあるわけです。


まあ・・・

現実問題、3%入れてるところなんてほとんどないと思いますけどね。


その他でも、

サクラ花エキスは1%品で推奨濃度は0.3%。

つまりサクラ花エキスとしては0.003%


キュアパッションは1%品で推奨濃度は1%。

つまりパッションフルーツエキスとしては0.01%

でそれぞれデータが出ているというわけです。


正直、原料メーカーの推奨濃度を鵜呑みにはできないわけですが、

お客様に使ってもらって、


「よかったから売って欲しい」


という声をいただいています。

お客様が言うんだったら間違いないかな・・・と。



まあ、濃ければいいってもんでもないわけですが、

化粧品原料ってだいたい好評です。


世の中に、同じ原料を使っている商品は山ほどありますが、

有効量を入れているものは、どのくらいあるんでしょう?



そこは処方したヒトか、

製造しているヒトにしかわかりません。

正直いうと、販売者も知らないわけです。


製造メーカーで、配合率をご丁寧に出すことはありません。

理由は簡単。乗り換えられる可能性が高まるからです。

普通は「コレ何%入ってるの?」と聞いても教えてもらえません。

嫌がるというほうが正しいかな?


ですから、企画段階で有効成分の濃度を指定しておくことは

非常に大事になってきます。

が、原料原価と有効濃度を知らないと、指定なんてできないわけです。


例えば、ヒフミドが4%セラミド入れてるから、うちも4%入れて欲しい、

なんてことをセラミド3でやったら、とんでもない金額になります。


そのため、うちは有効成分は自社で調達し、

コスト、推奨量、実際の有効濃度を把握したうえで

配合濃度を指定して配合しています。


ただ単に、原料弄るの好きってだけではあるのですが、

原料も支給するからこそ、無茶な配合が可能になるわけです。

ナチュセラ極は原料全支給ですが、

全部原料メーカーに任せたら、面白い原価がでてくると思いますよ(笑)



あと、余談ではありますが、新規原料って嫌がられます。

例えば、超高額な原料を少量入れたいというのは最悪です。

500,000円/kgの原料があって、その使用量が全製造過程で

100gしか使わないとすると、900g余ります。


この在庫分の金額450,000円を製造側が負担すると、

利益なくなります。

もし、リピート来なければ、この金額分マイナスになってしまいます。


というわけで、普通にこの金額、商品原価に乗せます。

この場合だと、原料価格が5,000,000円/kgとなるます(笑)


つまり、100g使っても、1000g使っても、

価格は変わらないってわけですわ。


まあ、さすがに50万超えてくる原料は、

もう少し小さい単位で売ってくれるとは思いますけどね。