セラミドの脂肪酸の分類

なんでリノール酸とかオレイン酸とかじゃないの?

セラミドの分類を決めているのは、

スフィンゴイドと脂肪酸の組合せで決められています。


スフィンゴイドはあまり馴染みがないわけですが、

脂肪酸は馴染み深い物質。


よく聞く、リノール酸とかオレイン酸とかじゃなくて、

なんであんなイミフな分類になっているんでしょう?


non-hydroxy fatty acid(非ヒドロキシ脂肪酸)

こちらはヒドロキシル基(-OH)がない脂肪酸になります。

非ヒドロキシ脂肪酸

OHあるやんって思うかもしれませんが、

あれとは別にもう一個くっ付いたのと区別しているわけです。


これはステアリン酸になります。

合成されているセラミド2、3はこのステアリン酸がくっ付いています。

ちなみにC18となります。


ここに属するのが

C16 パルミチン酸

C20 アラキジン酸

C22 べヘン酸

C24 リグノセリン酸

C26 セロチン酸

C28 モンタン酸 となります。


つまり、これら別個に名前つけるのが面倒だから、

性質がにているものを括っているわけです。



α-hydroxy fatty acid(αヒドロキシ脂肪酸)

α-hydroxy fatty acid(αヒドロキシ脂肪酸)

さっきのに、OHがプラスした物が、

ヒドロキシ脂肪酸。

ヒドロキシル基(-OH)があるということになります。

αとは一番根っこの部分にくっついているからになります。


αの位置意外にくっ付いたものがあれば、

新しいサブクラスができますが、今のとこ

αの位置にしかないみたいです。

あとは、鎖の長さが変わるというわけですな。

基本、この状態では存在しないので、

これ単体の名称はよくわかりません。



Esterified ω-hydroxy fatty acid(エステル化ωヒドロキシ脂肪酸)

セラミド1

エステル化ってのは

ωってのは、αの反対で、端っこの部分。

つまり、先の方で、エステル化が起こって、

鎖が長くなっているのがアシルセラミドってわけです。

セラミド2の先っぽにリノール酸が結合した形です。


超長鎖脂肪酸になるのは、ω部分にさらに脂肪酸が

くっ付くから、そりゃ長くなる訳ですよ。


リノール酸だけがエステル化するのか、

しないのかはよくわかりませんが、


リノール酸の摂取を極端に制限すると、

肌バリアの低下が起こることが知られています。

これは、セラミド1をはじめとする、

アシルセラミドが体内で合成できなくなるからに

他なりません。



なぜ、このような分類をしているのか?

まあ、やっぱり個々に名前つけんの面倒だったからなんじゃないかな。


たとえば、セラミド2にしても、ステアリン酸を含むものと、

べヘン酸を含むものってなんか違うような気もしないでもないわけで。

馴染み深い脂肪酸での分類もし難いってのがあるのかもしれません。


まだまだ勉強不足やな・・・


【関連記事】

LC/MS analysis of stratum corneum lipids: ceramide profiling and discovery.

セラミドの長鎖脂肪酸の重要性

セラミド分子種の多様性