カネカの人が来てくれました
天然の界面活性剤サーファクチンNa
カネカの人が遠路遥々やってきてくれました。
カネカっつたら、かなりの大手企業なのに、うちみたいな小さいとこに
わざわざ足を運んでくれるなんて・・・
非常に恐縮です。
さて、このサーファクチンNaは大豆を納豆菌の親戚の
Bacillus subtilisによって発酵される過程でできる生成物を
抽出したものになります。
名称は大豆発酵エキスとかの方が、たぶんウケは良かったと思います。
Bacillus subtilisは油を乳化させて、栄養源として利用できるそうで、
油田近くでも生息できるそうです。
また、このような特異的な物質は、他の菌に対し、
拮抗作用、つまり増殖抑制効果があるので、
サーファクチンNa0.125%濃度下で、アクネ菌の増殖抑制効果が
確認されています。
界面活性剤の種類としては、陰イオン(アニオン)性。
界面活性剤には、水に溶けたときに親水基がマイナスに帯電するアニオン性、
水に溶けたときに親水基がプラスに帯電するカチオン性、
pHによって、帯電が変わる両性、
水に溶けても帯電しない、ノニオン性があります。
一般に刺激が少ないのは、ノニオン性と両性、
アニオン性は若干ある、カチオン系が強めといわれています。
しかしながら、このサーファクチンNaは、2.5%までは、
無刺激であることが確認されています。
まあ、天然界面活性剤といっていますが、
バリバリの化学系の人から見たら、
合成界面活性剤についてのあれこれは、
何をいってるのか理解に苦しむそうです。
(カネカは化学系のプロ集団です)
ですので、「天然」というところは特に重きを置いていない感じです。
合成作るのは非常に困難なくらい複雑な構造を、
発酵であれば、簡単にでき、その機能が優れているからこそ、
販売しているのだ、と言わんばかりの資料をいただきました(笑)
まあ、市場においては「合成界面活性剤=悪」という
構造ができているので、売り込んでいくには「天然」という
キーワードが一番重要になってくるんですけどね~
さて、このサーファクチンNaですが、
親水基が7つのアミノ酸で環状を作った構造になっていて、
非常に親水基が大きいです。
その為、親水基同士が水素結合をするため、
微量で働き、かつ高い安定性を示します。
通常の界面活性剤では高温化では乳化を維持できませんが、
サーファクチンNaは80℃下でも乳化を維持できる特徴があります。
また、乳化能力はレシチンの3000倍!
(まあ、レシチンの乳化能は通常の界面活性剤1/10なんですけどね)
将来的には、今使っている界面活性剤をサーファクチンNaに
変えたいな~なんて思ってはいますが、色々と課題が多い。
まずはコスト面。
通常の界面活性剤と桁が違いますし、
天然界面活性剤としても、何倍にもなります。
現実的な使い方としては、併用するのがベターとのこと。
併用することで、合成界面活性剤の使用量を1/10~1/100まで下げても
同等の効果があることが確認されています。
ただ、折角なんで、合成界面活性剤フリーとか言いたいけどね。
(まあ、スキンミミックス使ってるから無理なんだけど)
続いて、加工での問題点が、
加工メーカーにとっては未知の原料であり、
どのくらいが最適か、さっぱりわからず、
手さぐりでやってくしかありません。
使用感がガラッと変わるようでは論外ですしね。
ちょこっと弄ってみましたが、
人の手でも攪拌レベルで乳化させるのは困難なので、
もしかしたら、扱いが難しいかもしれません。
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