炎症性腸疾患の発症・進展を抑制する仕組みを解明
(日本語版はこちら)
順天堂大学大学院学研究科・アトピー疾患研究センターの北浦氏らにより、
炎症性腸疾患を抑える仕組みを明らかにしたとの発表が2/13にありました。
クローン病や潰瘍性大腸炎など、難病とされる炎症性腸疾患。
これらは今のところ、根本的に治すことは難しいと言われます。
この疾患の発症メカニズムを解明することで、
新たな治療、予防法の開発の可能性ができたと言える発表です。
腸管の損傷でATPが作れら、
それを引き金にマスト細胞(脂肪細胞)が活性化。
炎症促進物質がでて、炎症が悪化するという仕組み。
それを抑制するのがLMIR3という受容体で、
セラミドが結合することでマスト細胞の活性を抑制することがわかりました。
ATPとはアデノシン3リン酸のことで、
食べ物から得たエネルギーをため込んだ物質。
リポソームとは、親水性、不溶性の両極をもつ物質が
膜構造をつくったもの。
セラミドも水溶性部分と不溶性部分があるので、
リポソーム構造になります。
まあ簡単にいえば、セラミドの塊ですわ。
で、セラミドを投与すれば、炎症を抑えられ、
改善につながる可能性を示唆しているわけです。
今後、医薬品の開発が進むであろうと思われますが、
今現在でいえば、植物セラミドをとるのがオススメかな~と思います。
その理由は、植物セラミドはセラミドに糖がくっ付いたセラミド配糖体です。
腸内細菌によって脂肪酸、スフィンゴシンに分解されて小腸で吸収されます。
吸収されたものは、体内で再合成されるのですが、
植物セラミドは再合成率が低く、多くは腸へ再排泄されるのだとか。
それが大腸がんの予防につながると言われます。
もしかしたら、炎症性腸疾患を抱えている人は、
植物セラミドを分解できる腸内細菌がいない、
もしくは、吸収されたものが排泄されないのかもしれません。
(単なる推測ですけどね)
再排出されるからといって、植物セラミドがお肌にも
効果があるのは各社エビデンスをだしているので、
腸にも肌にも良いと考えていいと思います。
肌は腸内を写す鏡だともいわれますしね。
逆に動物由来のセラミドは吸収率、利用率が高いので、
腸には影響をほとんど与えません。
吸収率、利用率が高いからといって、
動物由来のセラミドがよい・・・とは一概にいえないわけなんです。
(実感的にも、動物由来よりも植物由来のほうがよいかな~と
個人的には思います)
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