海産物中のセラミド
セラミドは海から陸へ、生命の活動を移すために必須な成分でした。
乾燥と紫外線からの保護のために。
しかしながら、海の生き物にもセラミド・・・というかスフィンゴ脂質は含まれています。
海産加工物には廃棄物が付き物。
例えば、グルコサミンはエビやカニの甲羅から抽出しますが、
これはエビやカニの加工品ででた廃棄物である甲羅を集めて
抽出しています。
鮭由来のコラーゲンも鮭の加工ででた廃棄物である皮の部分を集め、
そこからコラーゲンを抽出しています。
こういったものからセラミド取れないかな~
という取り組みは当然あるわけです。
①魚類中のセラミド
魚類は脳や臓器にスフィンゴ脂質が含まれているそうですが、
その量は少量のため、実用的ではないとされています。
有望視されているのが、深海魚
深海魚の皮脂や浮き袋に多くのスフィンゴ脂質が含まれているそうです。
②貝類中のセラミド
・アコヤガイ
真珠を取る貝ですが、大部分は破棄されるんだとか。
そこで、アコヤガイからセラミドが取れないかと検討したところ、
脂質が0.4~2%程度と非常に低いが、スフィンゴ脂質の割合は
高いそうです。
抽出されたのはセラミドアミノエチルホスホン酸。
・ホタテガイ
ホタテは食用なので有効利用されていそうですが、
2/3は利用されずに破棄され、しかも有償で破棄しているのだとか。
筋肉部分にスフィンゴ脂質が多く含まれており、
今後の展開に期待されているそうです。
③イカのセラミド
アカイカ、スルメイカは加工される場合が多く、
皮や内臓は廃棄されることが多いです。
貝類と同様、簡易抽出が可能で、
廃棄物の減少化もできるとあり、研究されているそうです。
マリンセラミドというと、なんとなく良さ気な響きですので、
需要はあるんでしょう。
ただ、ヒト型セラミドという訳ではないので、
化粧品向けではなく、食品向け、サプリメント向けでの
開発になるのだと思われます。
そして、廃棄物を有効利用するということで、
植物セラミドよりも安価に製造できれば、可能性はあるでしょう。
ただ、低価格で作るにはそれなりの設備投資が必要になり、
その費用がかさみ、低価格での供給は正直難しいでしょう。
そもそも、サプリメントでセラミド商品ってあまり売れていませんし・・・
市場規模がコラーゲンやヒアルロン酸に比べると、
圧倒的に小さいわけで。
採算度外視でやるか、高額で売るかの選択しかできないのが現状。
まあ、採算が合わないわけです。
そのため、マリンセラミドは現実的ではなく、
市場にでてきていないわけです。
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