価格のつけ方、おかしいかも
化粧品の原価って凄い安い・・・
って話を聞いたことがあると思います。
10,000円の化粧品の原価が100円である、とかね。
さてさて、この表現にはトリックがあり、
それが誤認されて伝わっているんですよ。
まず、この原価100円というのは、原料原価のことなんです。
製品原価ではありません。
しかも、化粧品製造メーカーの時点での話になります。
実際の製品原価としては
[原料代+加工賃+容器代+資材代(パッケージ、ラベル、印字など)]×利益率(30~50%)
例えば、原料代100円、加工賃100円、容器代100円、資材代50円、利益率30%の場合は
(100+100+100+50)×1.3=455円ってところになります。
製造ロットがデカいほど、すべての価格は下げることができます。
デカい仕事なので、利益率も削る場合が多いです。
たぶん、うちみたいな小さいところが大手と全く同じ物を作ろうと思うと、
原価は低く見積もっても倍くらいかかると思います。
というわけで原価1%ってのは流石にあり得んですわ。
仮に原料代が100円だとしても、一般消費者がその価格で買えるわけではないです。
原料の購入ロットにもよりますが、通常は1kg購入することになるので、
個人で原料を集めたら10万円は軽く超えます。
まあ、物によりますけどね。セラミドを使おうと思ったら一桁変わります。
どんなものを、どんなスペックで作るかにもよりますが。
手作りのための原料販売しているようなところで買える原料なら、割安で作れるます。
あくまで1万円で売っているような商品を真似ようと思ったらの話。
というわけで、原料代が仮に100円だったとしても、
それは妥当であり、決してボッテるわけではありません。
(あくまで100円ってのはたとえで、もっとかかっているとは思いますよ、たぶん)
化粧品メーカーは100円の価値しかないものを高額で売って利益を貪っている・・・
というのは、ネガキャンの一環であり、事実とは異なるということは理解しておいてほしいです。
さらに、人件費、研究開発費、広告費などを加算してくと、
利益なんて数%程度になります。
まあ、1兆円の売り上げがあれば1%の利益率でも100億円ですけどね。
ちなみにこちらはあくまで例えであり、一般論です。
販売価格により原価も変わってきますし、
戦略上、変わってくるわけです。
安けりゃ売れるってわけでもないし、高いと売れないというわけでもない。
安すぎると安物のレッテルを張られる可能性があるわけですし、
逆に高いと高級品であると認識してくれる可能性があります。
化粧品に限らず、すべての商品にいえることです。
化粧品はボったくって儲けていると主張する人がたまにいますけど、
それは原価を使ったカラクリを悪意を持って利用しているか、
単に何も知らないだけかのどちらかですので、ご注意を。
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