遺伝子99%が同じという本当の意味
「人間とチンパンジーではDNAの違いはわずかに1%しかない」という「99%一致説」。
正直、信じてましたが実は違うらしい。
人間とチンパンジーのDNAの違いはどの程度のものなのか、分かりやすく解説されたムービーが上部の
「Are We Really 99% Chimp?」
まずは基本的なとこから。
遺伝情報はDNAの塩基配列で保存されています。
DNAはヌクレオチド(五炭糖+リン酸+塩基)の連続で構成されており、
塩基にはA(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)の4種類あり、
3つで1つのアミノ酸をコードしています。
DNAから情報を引き出す際、RNAに転写する必要があり、
RNAはTの代わりにU(ウラシル)に置き換わります。
DNAは2重螺旋構造をしているのですが、
A-T C-Gが対になっています。
まあ、要するに遺伝子はATCGの4文字で書かれているってことです。
DNA→RNA→タンパク質の流れをセントラルドグマといいます。
(なんか響きがカッコいい笑)
で、ATCGの配列をヒトとチンパンジーを比較すると、
99%の部分が一致する・・・と言われているわけですが、
その数字の出し方がかなり乱暴なやり方ではじき出された数字であるということらしい。
ヒトにはあるけど、チンパンジーにはない遺伝子があるわけです。
その逆も然り。
比較する際に、大きく異なる部分を切り捨てて、
それ以外の部分を比較して出てきた数値が98.77%という数字。
切り捨てた塩基の数は13億。
比較されたのは残りの25億。
つまり、ヒトの遺伝子25%、チンパンジーの遺伝子18%を切り捨てて、
その他は99%一致しますよってことなのだとか。
これ、全然違うってことじゃん?!
うわ、99%一致説を信じていた自分が恥ずかしい・・・
そもそも、30億以上ある塩基の98%はジャンク遺伝子(ガラクタ遺伝子)と呼ばれ、
意味ある配列は2%しかない・・・と割と最近まで言われていたわけですから、
まあ、それに近い話なのかも。
ようやく近年、80%以上のジャンク遺伝子の働きがわかり、
ジャンク遺伝子と呼ばれていた部分の変異が何百種類もの病気が
関わってくることも分かってきましたが。
また、遺伝子はDNAにはイントロンとエキソンがあり、
RNAに転写される際にイントロンは取り除かれます。
ですから、塩基は入れるを眺めてるだけでは、どのアミノ酸が発現され、
どのようなタンパク質が出来上がるかはわからないわけです。
つまり、全く同じ遺伝子配列でも、全く異なるタンパク質が作られる可能性があります。
まあ、ゲノム解析が終わり、遺伝配列が把握できたからといって、
まだまだ分からないことだらけってことですわ。
とにかく・・・
今後、サルとヒトの遺伝子はほとんど一緒だなんて
得意気に語るのはやめよう(笑)
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