D-アミノ酸とL-アミノ酸
私たちが普段見聞きしているアミノ酸は、
ほとんど全て、L-アミノ酸であると思って差支えありません。
D-アミノ酸は自然界ではあまり存在しないからです。
長い間、D-アミノ酸は自然界には存在しないとされていましたが、
何と、老化するとD-アミノ酸が増えることが分かっています。
例えば、白内障の原因は水晶体にD-アミノ酸が蓄積するからと言われますし、
高齢者の皮膚にはD-アミノ酸が見つかると言われます。
もうこの段階で、D-アミノ酸は老化物質で忌むべき存在として見てしまいがちですが、
D-アミノ酸の有用性を研究しているところもあるんです。
なんかスゴイですよね。
そもそも、DとかLとかなんなん?って話ですが、
簡単に言うと、組成は同じでも、形が違うというもの。
Dはdextro-rotatory 、Lはlevo-rotatoryの略らしいです。
(意味はよくわからんです。右とか左とかって感じ?)
物質の性質上、D-アミノ酸もL-アミノ酸も違いはなく、
自然界での発生率も同等の確率なんだそうだけど、
生物にはL-アミノ酸のみと言える状態。
生物からD-アミノ酸が排除された理由は、生物学的ミステリーとして
未だに決着がつかない議論の1つでもあるそうです。
さて、このD-アミノ酸ですが、紫外線により割と簡単にできてしまうらしいです。
そして、DをLに戻す酵素は体には存在しないとか。
その為、紫外線の影響を受けやすい皮膚や水晶体で多く見つかる訳です。
その他にも、脳内でも見つかり、アルツハイマーの原因の1つだとも言われますし、
血管中にも見つかり、動脈硬化の原因の1つだとも言われます。
主にD-アスパラギン酸が原因らしい。
一方で、生物を構成するタンパク質にはL-アミノ酸がメインですが、
微生物の産生物にはD-アミノ酸が含まれているとか。
つまり、発酵食品にはD-アミノ酸が含まれている可能性が高いです。
発酵食品の有用性はこのD-アミノ酸によるものだ、という人もいるくらいです。
体内でD-アミノ酸ができるのは好ましくないが、
D-アミノ酸を摂取することは、問題ないどころか、
何かしら有益な作用があるかも・・・
という研究がされているわけです。
まあ、化粧品原料にD-アミノ酸配合といわれても、
ちょっとどうなんだろ?と思ってしまいますけどね。
あと、アミノ酸配合している化粧品は非常に多いですが、
紫外線でどのくらいD-アミノ酸になるのか、ちょっと興味深いです。
そして、それがいい影響を与えるのか、それとも悪影響があるのか、
その辺も気になりますよね。
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