マニアックなところをピックアップしてみました。
形状復元ゲルの肝になってくる合成ポリマー
(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー
・・・長い名前やな。
形状復元ゲルを採用しているところって、意外に多いのでビックリです。
確かにインパクトはありますもんね。
原料の商品名はアデカノールGT-700/730
石油化学由来です。
基本は親水性で、水に溶かしこむことで、
内側に疎水部分が集まります。
ただ、疎水部分が両端にあるため、親水部分に輪っかができます。
この輪が弾力を生みます。
で、この状態は固定されず、流動的なため簡単に壊れてしまいますが、
壊れても疎水側で集まる性質から、元の形に戻るというわけです。
厳密には形状を記憶しているというより、
平らな状態が安定するので、その形になっていくという感じですね。
耐酸性・耐塩性が高く、どんな状況下でもゲルが崩壊することなく維持できます。
これは重要なことで、増粘剤はpHによって粘性が変わってしまうものもあります。
一応、形状復元ゲルを採用しているところの言い分ですが、
上図のような感じでシワを伸ばしますのだそうです。
ゲルの復元を目の前でみると、本当にシワも伸ばしてピーンとしてくれそうですもんね。
現実的にはこんな感じになると思います。
表面は平らになりますが、当然シワの部分にも入り込むわけですから。
そのため、乾くと肌がツルツルした感じになります。
おそらく化粧のノリも良くなるのではないかと思われます。
実際に使ってみると、なんか肌が引っ張られる感はあるので、
シワが伸びてる!と思う人もいるかもしれませんね。
多くの場合、形状復元ゲルを採用している商品はオールインワンゲルが多いです。
被膜を張る訳ですから、その後に何かつけるという考えは普通はしないわけです。
では化粧水を被膜の上からつけたらどうなるのか?
膜構造が水溶性部分が表に出ている状態なので、水分に溶けることになります。
ただし、疎水性部分もあるので、膜構造は維持する形となります。
つまり、被膜部分が水分を抱え込むという形になります。
その水分が肌へと渡るのか、それとも蒸発してしまうのかはわかりませんが、
折角張った被膜が無駄になるということはないようです。
(擦ったりしたら、物理的力で壊れちゃうかもしれませんが)
逆に油は弾いてしまうことになります。
通常は肌にある乳化成分で、混ぜてしまうんですが、
被膜があるので、混ざることなく上から油の膜を張る形になります。
(こちらも物理的力をかければ壊れますが、その場合は復元するのは難しくなります)
まあ、クリームの成分は肌には届きませんが、
その代り親水性の上にメイクするよりも、
油の被膜があれば、化粧のノリがよくなると思われます。
どちらにしろ、ジェルの後に何かするなら、
優しく、力がかからないように注意する必要があるかな~
と思います。
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