石鹸=安全はウソ?!
ぶっちゃけ、石鹸が一番安全とするのは石鹸を売っているところで、
石鹸は危険だとするところは、石鹸以外の合成洗剤を売っているところとです。
まあ、どちらもプロパガンダ的側面があるというわけです。
その辺をまずはご理解いただければと思います。
うちも石鹸売ってるんで、そっちよりですよん。
石鹸はタンパク質変性がある、だから危険?
タンパク質は沢山のアミノ酸が立体構造を取り形成されています。
平たく言えば、形が決まっているわけです。
この形が壊れてしまうことをタンパク質変性といいます。
分かり易い例でいえば、たまごの白身は透明ですが、加熱で白くなります。
この現象がタンパク質変性で、不可逆的な反応です。
(壊れたタンパク質の構造を元に戻すことはできないということ)
で、界面活性剤にもタンパク質を変性させる作用があります。
そして、石鹸にも界面活性剤が含まれています。
石鹸を作るのに界面活性剤は使いません。
しかし、アルカリと脂肪酸が反応することで界面活性作用をもつ物質ができます。
つまり、石鹸も界面活性剤であり、肌にいいわけがない、
その証拠にタンパク質変性するんだ!というわけです。
で、タンパク質変性の試験として、
石鹸+水+アルブチン(卵白)で、どれだけ濁るかを見るものがあります。
白く濁るほど、タンパク質変性がある・・・
で、石鹸は凄く白くなるからタンパク質変性がある。
だから石鹸は危険だ!という話らしいです。
うーん、ちょっと乱暴ではあるかな~
まずは、この評価の方法、一般的な試験ではないんですよ。
この試験は、肌に刺激がある方が白く濁る傾向にあり、
肌に優しいとされるもののほうが濁らないという傾向にあった、
だから、1つのものさしとして使えるんじゃね?というもの。
イオン系の界面活性剤はタンパク質との親和性が高いので、
ミセルを形成しやすく、乳化します。
一方、非イオン系はタンパク質への親和性が穏やかなため、
乳化が弱いです。
で、イオン系は基本的に肌への刺激が強いとされ、
非イオン系は肌に優しいとされます。
簡易試験として、傾向が見るにはよいのですが、
これを根拠に断定することはできません。
白く濁る=刺激があるとは限らず、
またその逆も然り。
白く濁らない=安全とは限らない。
しかも、アルカリにも反応を示すので、アルカリ性のものは判定できません。
つまり、石鹸にこの試験を当てはめることはできないんです。
また、卵白と肌のタンパク質は全く異なる訳で、
やはり傾向を探るものであって、安全や優位性を示すものには成り得ないんす。
一方で、合成界面活性剤はタンパク質変性を起こすけど、
石鹸は起こさないから安心・・・というのは石鹸を売る側の意見ね。
ただ、それを示す根拠がないわけっす。
合成の界面活性剤でもイオン系はタンパク質合成を起こしますが、
上記の実験で、非イオン系であれば起こさないわけです。
また、アルカリによる作用でありはしますが、
石鹸によりタンパク質が変性しているのも事実。
ちなみに石鹸の界面活性剤はイオン系ですから、
タンパク質変性を起こす可能性はあります。
石鹸の界面活性は薄まったり、pHの変化ですぐに不活性化するのに対し、
合成界面活性剤は肌に残り、徐々にタンパク質を壊すのだとか。
一応、これが根拠になってるのかな?
うーん、分が悪いな~
正直、合成界面活性剤が肌に残留するって話も、
あんまり根拠がないんすよね。
個人的には、タンパク質変性が起こるほど濃度を肌に乗っけているわけではないし、
洗い流すわけですから、正直これに関してはどっちでもいいんでない?と思ってます。
石鹸はアルカリだから危険?
石鹸はアルカリ性を示します。
一方、肌は弱酸性。
界面活性剤ではなく、アルカリでタンパク質変性するから、
石鹸は危険だ!というわけです。
また、肌の常在菌は弱酸性が最適な環境条件で、
石鹸はその菌叢を壊すてしまう、常在菌のことを考えれば、
石鹸なんて使っちゃダメ!だそうで。
そして、弱酸性の石鹸がいいんだ的な話になります。
ちなみに、石鹸の弱アリカリ性が肌へ与える影響はほとんどない、
とのデータは色々でてて、皮膚科学ではナンセンスだとみなされています。
また、よく反論材料に使われるのがビ●レが実は通常の石鹸よりも
刺激が強かったという話がありますが、これはこの商品の話で、
弱酸性石鹸=危険 というわけではないです。
弱酸性石鹸=優しい ではないという1つの例にはなりますが。
石鹸のpHも様々で、さすがにpH10を超えてくるものは
影響ないとは言えないかもね。
(普通は調整しますけどね)
あと、弱アルカリのほうが肌を鍛えれるからいいとかいっているところもありますが・・・
ちょっと苦しいな~と思います。
個人的意見としては、これもあんまり気にする必要ないかもと思ってます。
ぶっちゃけ、肌が荒れている状況では、アルカリとか酸性とか関係なく、
使用は控えたほうがいいと思います。
苛性ソーダを使ってるから危険?
石鹸を作るのに必要物は、水、脂肪酸、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)。
この苛性ソーダは劇薬です。強アルカリで、それこそ皮膚が溶けます。
そんなものを使っている石鹸は危険だ!って話。
確かに苛性ソーダは劇薬で、眼に入れば失明しますし、
肌につけば火傷のようにただれます。
もし、石鹸に苛性ソーダが残っていたら、
そりゃ、肌には悪いでしょうね。
素人の手造り石鹸なら十分可能性はあります。
水、油、苛性ソーダを混ぜ合わせ、鹸化させるのですが、
この鹸化を上手にやらないと、肌には優しくない石鹸になります。
ただ熟練の職人が作ってたり、工場で作られているものでは
あり得ない話です。
また、通常は苛性ソーダをすべて反応させるため、
若干油が残るように調整します。
また、ナトリウムをすべて反応させるために長時間置きます。
石鹸の熟成期間ですね。
1~2ヵ月くらい置くのが普通です。
反応した苛性ソーダは脂肪酸とナトリウムがくっ付いたものになり、
これが界面活性剤として働きます。
これはすでに水酸化ナトリウムとは別物です。
これで肌がただれたりすることはありません。
結局、安全なの?危険なの?
さてさて、結局どっちなんだよ?
と思われるかもしれませんが、
そもそも、石鹸って一括りにすることに無理があるわけです。
ピンキリ、玉石混淆なわけです。
まず、製造方法だって、コールドプロセスなのか釜炊きなのか、中和法なのか、
何を添加しているのか、していないのか、
さっぱりタイプかしっとりタイプか・・・
また、石鹸ではない洗顔剤にだって同じことが言えるわけで。
結局、個々の商品力なんだと思う訳ですよ。
色々言われていますが、結局は洗浄力なんだと個人的には思っています。
汚れは落として、必要な皮脂は落とさないのが理想ですが、
その塩梅は個人差があるわけです。年齢によっても変化します。
私に最適な石鹸があなたに最適とは限らないわけで、その逆も然り。
あまりに数があり過ぎるので、最適な洗浄力の石鹸に出会えるのは、
なかなかの奇跡なのかもしれませんね。
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