アルカンジオールによる防腐剤フリー処方

マンダムが考えたことだったんだー

パラベンをはじめ、防腐剤フリーを求める声ってのは確かにあるわけですが、

化粧品が腐らないようにするのは義務でもありまして。


1回使い捨てにするとか、真空状態で充填するとか、

天然成分の防腐剤を使ったりと、まあ、色々工夫しているわけです。

防腐剤を使わないようにするために、かなりの予算を割いているわけ。

防腐剤フリーにすることで、肌には優しくなるかもしれませんが、

お財布には優しくなくなっているんですよね・・・


そんななか、マンダムが研究開発した、

アルカンジオールを防腐剤として使うやり方は、

肌にもやさしく、お財布にもやさしい、画期的なアイデアです。


マンダム独自開発 保湿成分「アルカンジオール」の抗菌性を応用した防腐剤フリー処方


2005年の話なので、もう10年以上前のことですね。


さて、アルカンジオールとはなんぞやと思われたことでしょう。

アルカンジオールとは、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコールなどの

保湿剤の総称で、多価アルコールの一種です。

グリセリンやBG、PGも含まれます。

 

昔は化粧品原料のほとんどにパラベンやエタノールが使われていたのですが、

今ではBGを高濃度で配合させたものが主流となっています。

この発明がなければ、パラベンフリーなんてしようと思ったら、

ほとんどの原料が使えない状態になってたでしょうね。

 

また、多くの化粧品で防腐剤の使用量を減らす処方として応用されています。



最小発育阻害濃度、つまり、微生物(大腸菌)の増殖を防げる濃度を比較した結果、

パラベン 0.2%

フェノキシエタノール 0.5%

ペンチレングリコール 2.7%

ヘキサンジオール 1.4%

カプリリルグリコール 0.2%

グリセリン 32.7%

BG 11.7%


という結果になりました。


ちなみにではありますが、防腐剤は静菌作用であり、

殺菌作用ではないです。


この辺を勘違いしている人が、防腐剤で肌の常在菌が死滅する!!

という発言につながるわけですが・・・


あと、この実験は大腸菌ですが、細菌の種類も沢山ありますし、

カビなんかもあって、それらすべてが同じ効果があるとは限らないです。

一応、どんな微生物にも万能なのはパラベンってのは確かではあります。


皮膚刺激感受性の高い7名を対象に行った実験が載ってますが、

まあ、データとしてはちょっとねえって感じです。


70名の被験者のうち、7名がパラベンに反応したので、

その7名で比較試験をした・・・

まあ、フェアな数字ではないです。


ただ、1割もパラベンに反応した人がいたというわけですが・・・

これもただの偏りか判断できませんが、多いな・・・


おそらく、70名全体でデータを出せば、ほとんど差はないんでしょう。

アルカンジオールが刺激に敏感な人でも大丈夫ってことを示しただけで、

別にパラベンが危険って話ではないですよ。

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