サプリメントを飲みすぎると肝臓を壊す?!
サプリメントは肝臓に負担をかけるから飲むな。
肝臓を壊すぞ!
なんて話を聞いたことをある人は多いと思います。
さてさて、この話のバックグラウンドをまずお話しておきましょう。
まず、肝臓の働きについてですが、
・栄養の蓄積
・栄養の合成分解
・毒素の解毒分解
大きく分けるとこんな感じ。
肝臓には500種類くらいの酵素が存在し、
体内の工場と呼ばれる臓器です。
栄養の蓄積は吸収されたブドウ糖をエネルギー予備軍として、
グリコーゲンに変えて蓄積しています。
グリコに入ってるやつです(笑)
さらに過剰なグリコーゲンは脂肪に変換されて蓄積されます。
(過剰に脂肪が蓄積されると脂肪肝ですな)
分解は逆に脂肪やグリコーゲンを再びブドウ糖に戻すこともできます。
体内で使用可能なように、処理するのも1つの仕事です。
体内に必要な成分を必要な形にするために、分解、合成、もしくはその両方を行っています。
そして、最後の解毒ですが、これはお酒の例えが一般的ですかね。
アルコールは肝臓で分解されている。だからお酒を飲みすぎると
肝臓を壊すってね。
おそらく、このイメージがこの話に信憑性を持たせることに
一番貢献しているのではないかと思われます。
もう1つ、この話のベースとなっているのが、
「薬を飲みすぎると肝臓を壊す」というもの。
薬は本来体にとって毒であり、肝臓で無毒化して排出しているといわれます。
薬の作用の多くは「抑制」です。
熱を下げる、痛みを抑える、咳を止める、下痢を止める、血圧を下げる、
血糖値を下げる、ガンの増殖を抑える(細胞分裂を抑える)・・・など
体の反応とは反対の反応を起こすものですから、
当然、体にとっては毒として認識されてもおかしくはないです。
薬には副作用というものが付き物ですが、
肝臓への負担もその1つ。
アルコールを取り過ぎると肝臓を壊すように、薬を取り過ぎると肝臓を壊すというわけです。
つまり、
肝臓は解毒分解を行っている
薬は肝臓に負担をかける
だからサプリメントを肝臓に負担をかける。
そんな流れです。
まあ、薬のすべてが肝臓に負担をかけているというのは暴論であり、
そういうものもあるという認識が正しいかな。
飲みすぎると死ぬようなものもあるわけですから、薬だって色々です。
同じように、サプリメントといってもピンキリであって、
確かに死亡例や健康被害がでたようなものもありますが、
すべてがそうであるわけではないです。
(ほとんどはそうではないです)
とりあえず、次にサプリメントは肝臓に負担をかけるという主張に耳を傾けてみましょう。
「サプリメントは合成ものだ。だから体に悪い」
多くの人が誤解しているのですが、
合成ものは石油から作られていると思っているんですよね。
むしろ石油由来の原料のほうが稀なんですけどね。
何かあったかな・・・?
ビタミンB群の何かにあったような気がしますが、
あとはちょっち思い当たらんです。
エタノールですら植物由来の時代ですからね。
まあ、合成着色料やら合成香料とかを含めれば、沢山あると言えるかもしれませんが、
基本的にサプリメントには不要なもんですから・・・
ちなみに人工甘味料もほとんどが天然由来です。
だから安全ってわけではないですけどねー
「添加物が毒だ」
うーん、基本的に先入観が強すぎですよね。
どんなものが使われているか、知ってるのかな?
サプリメントで使われている添加物で肝臓に負担をかける物って何かあったっけ??
量増しや賦形剤で使われるものはデキストリンとかだから、消化で糖に分解されちゃうし、
難消化性なら吸収されないし・・・ソルビトール?ほとんど腸内細菌のエサですよ。
潤滑剤ではショ糖脂肪酸エステルがよく言われるかな?
これも吸収前に糖と脂肪酸に分解されますけどね。
二酸化ケイ素?そもそも吸収されません。
実際、サプリメントから取れる添加物なんて微々たるもんですよ?
普段、食べてるものの方が何十倍、何百倍もの添加物、取ってるんですから。
「脂溶性ビタミンは排出されずに肝臓に蓄積される」
脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンEなど)は文字通り油に溶けているため、
尿から排出されない・・・だから蓄積していくとのこと。
確かに蓄積はしますが、どちらかというと貯蓄するといったほうがよいかな?
意図して貯めれるようになってるのです。
で、日々の活動で消費されていきます。
消費した物は排出されます。
ビタミンAでいえば、体内蓄積量の2%くらいが排出されます。
その分は補う必要があるのです。
当然、過剰摂取は弊害をもたらしますが、
塩でも砂糖でも取り過ぎれば害になります。
過度にとるのは避けたほうがよいのは当然の話です。
はっきり言ってしまうと、偏見ですよね・・・
基本的にはサプリメントで肝臓を壊すってことはないです。
もちろん、例外はあります。
肝臓で分解されずに蓄積する成分も確かにあるかもしれません。
将来的に、コレがダメだった、というものが出てくる可能性はゼロではないです。
絶対安全ってのを証明するのは、ほとんど悪魔の証明と同じです。
そういった可能性で全てを否定するのは、ちょっとかなわんな~とは個人的な感想です。
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