スギ花粉が肌バリアの低下を招く

資生堂がスギ花粉が肌バリアを低下させることを発見!

もう過ぐ嫌な季節がやってきます。

そう、花粉の季節。

毎年、花粉対策を心に誓うのですが、

のど元過ぎればなんとやら、気づけばまたこの季節に(笑)

 

この度、資生堂からスギ花粉に含まれる抗原タンパク質Cry j1(クリジェイワン)が

肌のバリア機能を低下させることを発見、発表がありました。

 

以前から、花粉が肌に悪いというのは言われていたわけですが、

それが科学的に証明されたそうです。

 

スギ花粉アレルギー対策に加え、肌あれを防ぐ観点においても

スギ花粉が付着しないよう肌を保護することの重要ってことです。

なんて迷惑なやつなんだ、スギ花粉・・・

 

スギ花粉の抗原タンパク質Cryj1は、体内に入ると

免疫が過剰反応して、鼻水、涙、くしゃみによって、

外へ追い出そうとします。

鼻のかみ過ぎでカサカサになるのかと思いきや、

こいつも花粉のせいだったんですね。

 

 

実験方法は、セロハンテープで組織培養皮膚表皮の角層を剥離して

人為的にバリアを破壊したうえで、スギ花粉の抗原タンパク質Cry j1溶液を

塗布したときの水分量および細胞間脂質量を測定しました。

 

結果、水を塗布したときに比べて、Cry j1溶液を塗布した皮膚では

水分蒸散量が顕著に高くなり、肌のうるおいが失われることがわかりました。

 

また、肌本来の油分としてバリア機能の維持・回復を担う細胞間脂質については

分泌されにくくなり、細胞間脂質の供給が滞ることが明らかになりました。

つまり、花粉がセラミドを含めた肌バリア機能の形成を邪魔するというわけ。

 

この実験からわかるように、正常であれば問題はないのですが、

肌が極端に乾燥していたり、肌が荒れていたりすると、

花粉の影響を受けて、悪化する可能性が高いことを示唆しています。

 

まさに泣きっ面に蜂な状況ですな・・・

 

しかも、回復が滞るわけですから、

放っておけば、どんどん悪化するわけです。

 

肌を健康な状態に保つことも大事ですし、

付着させないようにする工夫も必要ですね。

 

外出時はマスクとメガネが必須だにゃ~

(もともと花粉症だから必須ですけどね笑)

 

Kumamoto J et al. (2016) Archives of Dermatological Research 308: 49-54

 

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