老化した細胞を破壊すると長生きする?!

老化細胞が老化の原因?!何その鶏が先か卵が先かみたいな話・・・

Destroying worn-out cells makes mice live longer : Nature News & Comment
http://www.nature.com/news/destroying-worn-out-cells-makes-mice-live-longer-1.19287

直訳すると「老化細胞を破壊することで、ネズミの寿命が延びた」

 

壮年期に発症し老年期にまで慢性的に進行する疾病のことは老人病と呼ばれます。

老人病には心臓疾患や悪性腫瘍をはじめ、高血圧、糖尿病、白内障などさまざまな疾病が含まれます。

 

ある分子生物学者たちが行ったマウスの実験で、体内にある老化細胞を破壊すると

老人病の発症を止めたり遅らせたりできることが判明。

ヒトへの応用に期待され、注目されています。 

動物は年を重ねると共に、細胞分裂ができない状態になった老化細胞が体内に蓄積されます。

老化細胞は組織周囲に害を及ぼす分子を発生させ、これが老人病に関係しているとのこと。

 

細胞にはテロメアと呼ばれるものがあり、細胞分裂ごとに短くなることから

回数券に喩えられたりします。

テロメアという回数券が切れたら、細胞は分裂することができなくなります。

場所によって異なりますが50~60回といわれています。

 

レスベラトロールをとると、この回数が増えるといわれ注目されました。

(ヒトでは確認できていないんですけどね)

 

もう分裂できない細胞は無くならずに、いつまでも体に残るそうです。

 

 

Darren Baker博士およびJan van Deursen博士は、

老化細胞を破壊すると体にどのような変化が起こるのか調べるべく、

ネズミを使った実験を行いました。 

行われた実験は、AP20187という薬品を投与することで老化細胞が死滅させたマウスと、

時間経過と共に老化細胞が増幅するマウスを比較し、

健康状態にどのような違いが起こるのか調べるというもの。

 

実験結果から、老化細胞を死滅させたマウスの腎臓は老化細胞が増幅するマウスよりも健康に機能しており、

心臓はストレスからの回復が早いことが判明しました。

また、老化細胞が死滅したマウスはもう一方よりも行動が活発的で、ガンの発症も遅かったとのこと。

 

老化細胞が死滅したマウスは、老化細胞が増幅するマウスよりも20~30%長生きしたことがわかりました。

 

 

うーん、面白い話ではあるのですが、

なぜ、老化細胞が増えるネズミと比較してるのだろ?

老化細胞が増殖する状態なんて異常な状態ですから、

寿命が縮みそうなんですけど・・・

 

通常のネズミと比較して、これだけの差がでればすごいと思うんですけどね。

老化細胞が増殖するネズミは寿命が20~30%縮むとも取れるんですよね~

 


今回の実験は両博士が2011年に発表した

『マウスの老化細胞を除去すると老人病の発症を遅らせることができる』

という研究の続きとなるものですから、そこでは普通のネズミを比較対象にしているのかな?

すでにBaker博士やDeursen博士たちは人間の老化細胞を直接破壊する薬、

もしくは組織周囲に害を及ぼす分子の発生を止める薬の開発に乗り出しているとのこと。

また、Deursen博士は、老化細胞を破壊したり機能を制限したりする薬の特許を取得済みです。

 

老化細胞を特異的にアポトーシスさせるようなものらしいです。

アポトーシスとは細胞が自発的に死ぬこと。

プログラムされた細胞死です。

 

がん細胞だけを特異的にアポトーシスさせるような研究も進んでいますので、

そういったアプローチも決して非現実的ってわけではないです。

 

 

まあ、たとえ老化細胞を除去できたとしても、

不死不老になるわけではなくて、病気になりにくくなり、

長生きできまっせってことですけどね。

 

不死不老を目指すなら、細胞分裂の限界をなくすことなんでしょうが、

細胞分裂の限界を無くしたものががん細胞ですから、

がん化のリスクが高いので、おいそれとは手が出せないのかもしれません。

 

細胞の分裂回数を増やす措置と平行して老化細胞を除去できれば、

もしかして・・・

 

 

【関連記事】

<<<前                    次>>>