化学者が美肌コスメを選んだら・・・

珍しかったので買ってみました

じつは10秒で見抜けます

化学者が美肌コスメを選んだら・・・

 

かずのすけこと西一総氏の書籍です。

地方なのでほとんどの書店では置いてないんですが、

とある本屋で1冊だけ置いてあったので、買ってみました。

 

(化学者・・・ユニークスキルなのかな?)

 

立ち読みでもいいかな~と思ったのですが、

ネタになるなら十分は投資だろうと思った次第です。

 

内容としては、各ジャンルのオススメが羅列されており、

ジャンルが多いせいか、内容が薄い感は否めないです。

また、各所への配慮をしており、なんか丸くなったな~

というのが印象です。

 

これを読めば成分表が読めるようになるってのは残念ながらないかと。

この書籍を手にした多くの人は、オススメされている商品を買っちゃうだろうと思います。

(というか、すでに買っている人なんでしょうな、手に取る人のほとんどは)

まあ、中途半端な知識を得て、ああだこうだいう人間を量産するよりは

ずっといいんですけどねー

 

まあ、そもそも化粧品に関して専門家はいないわけで、

どうしても独学か誰かの受け売りになってしまいます。

全部正しいってことはなく、ある面からみれば正しいし、

別の面からみたら間違っているというのが常なわけで。

 

ですので、私自身の認識と相いれない部分は当然あるわけで、

それは科学というよりも宗教に近いと思います。

何を信じるかって話なので。

 

個人的に気になったことをピックアップしますが、

あくまで個人的な見解であって、自分が正しいなんて言うつもりはないです。

そういう見方もあるんですよ~というのを知っていただければ十分です。

(これだけ書いておけば大丈夫かな?)

 

 

 

オーガニックは安全ではない

オーガニックだから安心だというは必ずしもいないって話ですが、

それ自体は間違いないことではあると思います。

 

まあ、この手の話は結構色々なところで言われるわけですが、

その背景にはオーガニックコスメを販売しているところが、

合成品をディスって販売しているのが事の発端です。

オーガニックコスメを販売しているところのほとんどは、

合成界面活性剤がー、合成ポリマーがー・・・みたいな話をしています。

 

そして、さもオーガニックが一番安全で肌に優しいとかなんとかいっているわけです。

当然、他のメーカーは面白くないわけで、その反論をしているわけなんですよ。

 

で、実際にオーガニックで高い効果を出そうと思ったら、

アレルギーのリスクは高くなります。

また、精油は濃度を間違えれば副作用はあります。

 

ただ、気になったのが「天然毒素」という言葉。

西氏曰く、植物には、虫や外部の菌類から身を守るための「天然毒素」が

含まれており、農薬や化学肥料を使って栽培した野菜は天然毒素が少なく、

有機栽培すると天然毒素が増えるので、オーガニックは危険だと。

 

 

植物は動くことができないうえ、病原菌に侵されると治す仕組みがありません。

そのために体内に物質を作ることで対応しています。

 

一般的にはファイトケミカル(植物由来の化学物質)と呼ばれるのもで、

生命活動には必須ではないですが、様々な効能があり、第7の栄養素として

様々な形で利用されています。

 

天然毒素という言葉はあるんですよ。例えばジャガイモのソラニンとかね。

しかしながら、ファイトケミカル全般を天然毒素とは普通はいいません。

 

お茶に含まれるカテキン、ブルーベリーに含まれるアントシアニン、

ショウガのジンゲロール、ダイズのイソフラボンなどなど・・・

多くの有用成分は本来、植物を守るための成分なんです。

 

人に害になる天然毒素を含んでいるものでもない限り、

むしろ有効成分が増えるってことでもあるんですわ。

 

 

余談ではありますが、有機栽培の利点は、

農薬の使用量が少ないので、残留農薬のリスクが少ない、

土壌の有用菌を活かすことで、土壌の養分をちゃんと吸収できるので、

ビタミン、ミネラルなどが豊富な野菜になるってこと。

(土壌では植物と菌の共存活動が存在しているんです)

 

 

また、精油は特に注意といいますが、精油ってバカみたいに高価な原料です。

安いものでも1kgあたり10万円代がざらですからねー

有名どころになると桁が1つ増えるし・・・

そんなわけで高濃度を化粧品に入れれないんですよ。いや、マジで。

 

まあ、注意するなら精油を買って、手作り化粧水を作るときかな?

調子に乗って入れすぎないように注意したいですよね。

(まあ、10ml数千円するわけで、大事に使うとは思いますが)

 

 

EGFは効果がない

西氏曰く、EGFは分子サイズが大きく、皮膚の奥まで浸透することができない、

浸透できないので効果はないとのこと。

 

確かにEGFはオリゴペプチドなので、アミノ酸が100個近くからなり、

角質層以下への浸透は不可能です。

(浸透可能なのはアミノ酸3つで構成されるトリペプチドまでといわれます)

 

他の成長因子に関しては何とも言えませんが、

EGFに関していえば、肌表面にレセプターがあります。

 

EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor)といいます。

 

割と有名な話なんですが、そのため塗布でも効果がでるわけで、

浸透させる必要性がないんですわ。

 

まあ、効果がないってのは言い過ぎですが、

20代であれば、確かに不要ですから、

高価なだけで不要な成分といえなくもないのかな?

 

使用してないですけど、効果はあるいい原料ですよ。

使用量もかなり微量(0.00001%)ではあるわけですが、

それが最適濃度であり、それ以上入れても効果が

下がってしまうんです。

 

 

上位の5~6個目までの成分の優劣で化粧品の良し悪しを判断できる

これに関しては考え方の相違としか言いようがないのですが、

化粧品は水、基剤、有効成分、防腐剤等の添加物という構成になっています。

ほとんどの割合を占めるのが水と基剤となります。

 

多いものの影響が出やすいというのは確かですので、

そこを見るというのは、確かに理にはかなっているのかもしれません。

 

が、個人的には、基剤に重きを置いておらず、

正直、基剤はどれも大して変わらんと思っています。

(まあ、使用感に大きく影響を与えますが、効果って意味では大差はないと)

 

むしろ、その下位の成分のほうが重要と考えています。

セラミドもそうなのですが、有効成分の配合量は銀行の金利並みです。

当然、そんなに前には来ません。

 

ただ、勘違いしてほしくないのは、別にケチっていれていないわけではなく、

有効成分の有効濃度そのものが低濃度なんです。

 

例えば抗炎症成分であるグリチルリチン酸2Kは通常0.1%で使われます。(上限0.5%)

EGFであるヒトオリゴペプチド-1に関しては0.00001%が有効量ですからね。

セラミドプレミックスであるスキンミミックスでもセラミドとして0.05%を推奨ですし。

 

化粧品原料のほとんどは液体で、成分としては数%含まれ、

あとは水とBGって感じです。

それを1%とかで使うので、●●エキスってのはたいてい1%切ります。

また、粉末のものでも、推奨量は1%を切ります。

正直な話、入れ過ぎると変な作用が出たりする場合もあるので、

使用量はメーカーの言い分を守るほうが無難です。

 

で、この効果を左右する成分に着目するわけですが、

これらがどれだけ入っているか。。。というのは我々には知る由もなく、

製造メーカーのみが知るって状況なんですよね。

 

まあ、有効成分の種類なんて星の数ほどあるので、

成分と効果が一致させるなんて、原料マニアくらいしか

わからないんでし・・・

そういうのまとめた本があれば売れるかな?(個人的には欲しい)

 

サプリメントのやつはあるんですけどね~

 

何がいいたいかっていうと、原料メーカーも色々頑張ってるんですわ。

いい原料はたくさんあって、原料に罪はないんです。

下位に表示されているから、微量しか入っていないから

意味がないってのはちょっとかわいそうだと思うわけさね。

 

 

細かい話ですが、「ん?!」と思ったことは以上です。

 

まあ書籍なので、書ける量が限られているとか、

一般の人にもわかりやすく書いたとか、

そいうった結果の話だとは思うので、

あまり気にすることもないかもしれませんがね~

 

 

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