サプリ市場の参入障壁

もし、あなたがサプリメントで商売をすると考えているなら・・・

もし仮に、あなたがサプリを販売するという選択を考えているとして、

その時、考慮しておくべきことを書いておこうと思います。

先日、とある知人からそんな相談を受けたってこともありまして。

 

私自身、サプリの対面販売をしていましたし、

OEMメーカーにも勤めていましたので、サプリメントに関しては無駄に詳しいです。

ぶっちゃけ裏のかなり深いとこまで見てしまっています。

 

普通に考えれば、得意な分野で勝負するのがセオリーですが、

逆に知り過ぎてしまうと、その難しさを痛感してしまうものなんですよ。

化粧品のOEMメーカーにいる人は、口をそろえていいますよ。

「化粧品のほうが売るのがむずかしい」ってね。

 

 

さてさて、ほんとに15年くらい前なら「サプリは儲かる」って時代があったのは事実。

ちょっとしたバブルがあったんですよ。

今でこそ有名になってますがコエンザイムQ10やリポ酸のサプリが飛ぶように売れました。

なんせ、原料供給が追い付かない状況が続いたくらいです。

 

その時は建築業とか不動産屋など、サプリメントの業界に縁がなさそうな

業種の方々からのOEMの依頼があったと聞きます。

 

また、10年くらい前はダイエットサプリなら売れました。

まあ、規制が厳しくなって、完全に衰退してしまいましたが。

今からダイエットサプリを売ろうってのは愚の骨頂、愚の極みといってもいいです。

ちなみにサプリでは絶対に痩せませんよ?

 

 

 

まず、最初に考慮しておくべきことは販売価格についてです。

経験則でも統計的にも売れる価格帯というものがあります。

もちろん例外はありますが、定石をあえて外す必要はないです。

 

売れている価格帯はズバリ、

1500~3000円と10000円前後

 

もうこの2択で勝負するしかないです。

とある調査でもサプリメントに出せる金額を調査したとき、

この2つの層が突出していました。

 

 

まあ、普通は低価格帯での勝負を検討すると思うのですが、

これがまた難しい事情があるんですよ。

 

サプリメントで売れるものってだいたい決まってます。

そして、そのほとんどに王者が存在します。

後発には圧倒的に不利な状況が出来上がってしまっています。

 

個人的な感想ではありますが、青汁や黒酢サプリなんて

よくあれだけの規模で販売してるな~と思います。

時代ってのもあったとは思うのですが、それだけの経営手腕だったんでしょう。

今から青汁っていっても、売る自信ないです。

 

また、この価格帯だと、利益を出すのに原価を抑えなければなりません。

正直、そこそこのものを作ったとしても、予算をオーバーします。

従来品よりも良いものを作ってこそ、初めて勝負できるというのに、

それだと採算が合わなくなります。

 

では大手はどうやって採算を合わせているのかというと、

大量生産により原価が抑えるわけです。

 

容器等の資材、原料の仕入れ、加工賃とすべてにおいて、

価格がグッと下がるわけです。

 

ん?じゃあたくさん作ればいいって?

まあ、それだけの資金があればいいですが、

その商品が売れるという確信があってもオススメはしません。

在庫の山ってのは精神的にかなりきついっすよ。いやマジで。

(そのそも、その確信も錯覚です) 

 

また、新規は足元見られます。

大手企業と同様の数を作ったとしても、同じ価格にはなりません。

 

これが何を意味しているのかというと、

すでにプライスリーダーとなっている企業には

普通にやっても勝てないってこと。

 

黒酢のサプリではえ●おには絶対勝てないし、

ブルーベリーではわ●さには絶対勝てない、

そんな仕組みが出来上がっているわけです。

 

 

となると、王道ではなくニッチを攻めるしかないんです。

口臭、体臭対策のサプリとか、毛が生えるサプリとか。

それ以外に新たなジャンルを開発するか・・・

 

まあ、これが難しいですけどね。

 

 

では、高価格帯はどうなっているかというと、

原価をかけれるので、かなりのスペックのものを作ることができます。

この価格で中途半端なものを作るとクレームがパないことになるので、

それなりに作りこんであるものではあります。

 

ただ、この価格帯で売られているのはかなり特殊な業態です。

例えばネットワークビジネスだとか、宣伝講習販売だとか、テレビ通販とか・・・

 

 何が言いたいかというと、かなり高い営業力が要求されるということ。

まあ、1000円のものを売るよりも10000円のものを売るほうが

難しいのは当たり前なんですけどね。

 

営業力に自信があれば、それもありだと思います。

 

 

話は戻って、価格帯を決めたら次は何を売るかってのを決めるわけですが、

方法は2つあって、1つは前述したニッチな市場を探し、それにマッチした原料を探すか、

昔ながらの健康素材の見せ方を変える方法です。

 

ニッチな訴求の原料なんて稀ですから、後付けで効果を謳うわけです。

(まあ、効果は謳えないから、それっぽく見せるって感じ)

 

おいしいところはすでにやられていますし、

今ないってのは無理っぽなところばので、

そうそう見つからないとは思いますがね。

 

可能性があるところを挙げておくと、

睡眠改善系、疲労回復系、バストアップ、筋力アップ、

むくみ改善、イボ改善、記憶力向上とか?

そういえば、あがり症改善とかありましたね。

それくらいニッチなところのほうがいいかもです。

 

 

素材系は黒酢とかにんにくとかそういったもの。

まあ、こちらのあらかたやられている感はあります。

焼酎もろみもそのカテゴリーに入るかな?

 

産地がどうこう、熟成がどうこう、こんなところで作ってます的な?

そういうのを並べられれば形にはなります。

効果云々はいう必要はないです。

健康に良さそうってだけでOKです。

(そもそも効果は謳えない)

 

個人的には甘酒エキスがオススメですが、

なかなかやられないのは、そこまでおいしくないからなのかもしれません。

 

あまり新規原料が売れない業界なので、新規原料はほとんどでてきません。

むしろ、原料から作るくらいじゃあないと難しいかもです。

 

 

余談ではなりますが、この価格帯ではソフトカプセルが売れます。

むしろソフトじゃないと厳しいです。

 

 

まあ、うちは趣味でやっているので、

あんまりこの辺は気にしてないんですけどね(笑)

原価が凄いことになってるのを最近気づいて、引いたくらいです。

 

 

あと、忘れるとこだった。

今後、最大の障壁となるといわれているのが、機能性表示食品。

これさえ国の認可が下りれば、効果効能を謳えるわけですが、

約300万くらいかかります。

これは大手にとっては大した出費ではありませんが、

新規事業の場合は、莫大なコストです。

 

今後、機能性表示食品が大手からガンガンでくるので、

新規参入は困難になっていくといわれています。

 

平たく言えば、見通しがいい業界ってわけではないってことさね。

 

 

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