蜘蛛の糸の化粧品利用
カイコの繭は絹としても使われますし、最近では絹を酵素処理して細かくした
シルクペプチドやカイコを遺伝子組換してヒトのコラーゲンを作らせる化粧品原料
なんかがあります。
そこでふっと思ったわけです。
蜘蛛の糸でも似たようなことできないのかな~と。
だって、頼んでもいないのにそこら中に作ってくれているわけですよ。
蜘蛛の巣を。
世の中の蜘蛛の巣をすべて集めればかなりの量になるんでないかな?
なんて思ってみたりして。
現実問題、蜘蛛をカイコのように飼育して、蜘蛛の糸だけ作らせるのは難しいそうな。
蜘蛛は縄張り意識が高く、近くにいると食い殺しちゃうんだそうです。
じゃあ、1つ1つ個室を用意してあげればいいのでは?と思うのですが、
今まで数多くの人が挑戦してきてもなしえなかったことらしいです。
直接的に蜘蛛に糸を作らせるのではなく、
コラーゲンのように蜘蛛の糸を作る遺伝子をカイコに組み込み、
カイコに蜘蛛の糸を作らせるという方法を独立行政法人 農業生物資源研究所が
開発、実用化したそうです。今から2年くらい前の話になるのかな?
あくまでシルクに蜘蛛の糸が混ざるというもので、その割合も1%程度。
それでも従来のシルクと比較して1.5倍の強度をもつんだとか。
そして、スパイバー株式会社というベンチャー企業が
人工の蜘蛛の糸の生産に成功、実用化したそうな。
代表の関山氏は在学中に蜘蛛の糸の人工的な生産を研究テーマにしていたのですが、
少量の人工の蜘蛛の糸を生産することに成功し、そのままベンチャー企業を立ち上げたそうな。
すげーな・・・
蜘蛛の糸で作った防弾チョッキは従来のものよりも7倍も丈夫で、
しかも軽いのだそうな。
まあ、おそらくは防弾チョッキや軍服、偉い人の衣類なんかに使われ始めるのかな~
アメリカ大統領のスーツが蜘蛛の糸で作られるようになる日は近いかも。
また、蜘蛛の糸はポリマー構造をしているので、それを利用し、フィルムを作ったり、
スポンジを作ったり、ゲルを作ったり、ナノファイバーを作ったり、いろんな加工技術を
平行して開発しているんだそうです。
近い将来、化粧品原料にもなってくるかもしれません。
(一番最後でしょうけどね~)
リフトアップ系の素材になるのかな・・・
ポリマー構造を利用してね。
シルクみたいにペプチド化するとちょっとつまんないかな~
作るのは微生物です。
このクモの糸の主成分である “フィブロイン” を作り出すクモの遺伝子を大腸菌に組み込み、
この菌を利用した発酵技術によって世界で初めて人工的にクモの糸を生成する技術なんだそうです。
特許をみると、100%蜘蛛の糸ではなくて、
絹と蜘蛛の糸を混ぜて、用途に合わせて調整していくみたいです。
まあ、夢の素材とまで言われた蜘蛛の糸。
この糸が歴史を変えるかも・・・しれませんね。
強度って意味ならカーボンナノチューブのほうが強いわけですが、
非常に高価な素材ですからねー
蜘蛛の糸にカーボンナノチューブでコーティングなんてこともされています。
どちらが先に行くかというのも見どころかもしれません。
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