今更聞けない?!糖化、抗糖化

糖化ってわかりにくいですよね

糖化反応とは?

糖化反応は1912年にLC Maillardが発見した反応で、メイラード反応とも呼ばれます。

アミノ酸と還元糖を加熱すると褐色の色素が生成することがわかり、

糖化反応は食品の加熱中に起こる着色や、香り・風味の変化、保存期間中の栄養価低下に

関わる反応であることから食品化学の領域で注目されるようになります。

 

よく喩えられるのが、ホットケーキの焼き色。

白い生地がだんだんと茶色っぽくなっていくじゃないですか?

この反応を糖化反応というわけです。

 

で、これは何が起こっているかというと、

タンパク質に糖が結合することで、褐色の色素ができているというわけ。

 

体内でも糖化反応は起こっており、とくに糖尿病患者の合併症の主要な原因だと

いうことがわかり、医療でも研究が盛んになります。

糖尿病の指標として使われるヘモグロビンA1c(HbA1c)は

赤血球に糖がくっつき、本来の役目である酸素を運ぶという機能を果たさなくなったものです。

これもタンパク質に糖がくっつく糖化反応ってわけです。

 

その他にも糖尿性白内障も水晶体というタンパク質に糖が結合する糖化反応、

神経に異常をきたすのも、結局は糖化反応の結果です。

 

近年では糖尿病以外にも、老化現象、認知症、動脈硬化、ガンなどにも

関わっていることが明らかとなり、研究が進められています。

酸化と糖化、何が違う?

よく言われるのが、酸化=サビ糖化=焦げなんだそうで。

酸化は酸素がくっつくことで、物性が変化することで、

糖化はタンパク質に糖がくっつくことで、物性が変化することです。

 

酸化は酸素がくっつくものがなんでもいいんですが、

糖化は糖がくっつくのはタンパク質であるという点が違いかな?

 

及ぼす変化はどちらも劣化なので、混同されがちです。

酸素も糖も生きていくには必須にも拘らず、

これらが老化の引き金になるってのは、生きるとは業が深いですな~

 

酸化に関しては、活性酸素の存在が早くから知られており、

これが老化や様々な疾患の原因でることが明らかとなっており、

研究も早くから進められています。

 

酸化は還元、つまり酸素を外すことが可能ですが、

糖化はタンパク質変性のため、不可逆的な反応です。

つまり、一度糖化したものは、二度と元に戻らないって話です。

AGEs(糖化最終物質)

体内で様々な糖化反応が行われているわけですが、

アミノ基とカルボニル基の間の非酵素的な化学反応・・・とかいわれてもよくわからんので割愛。

最終的にはAGEs(糖化最終物質)と呼ばれる、俗にいう老化タンパクになります。

この種類は多岐にわたっており、糖化の成れの果てを総称してこう呼びます。

 

このAGEsが体内に蓄積することで悪さをすると考えられています。

 

 

では、お肌にどのようなことが起こるかってことで見ていきましょう~

 

一番影響がでるのがコラーゲン。

真皮にあるコラーゲンが肌の骨組みを作って、支え、弾力とハリを保ちます。

しかし、コラーゲンもタンパク質。糖化反応が起きて、糖がくっつきます。

 

結果、コラーゲンが固くなり、弾力性がなくなります。

 

通常は代謝によって、分解、再合成が行われますが、

糖化がひどくなってくると、分解酵素で分解されにくくなります。

こうして、AGEsの蓄積が促進されます。

 

さらに、酵素もタンパク質であるため、これらが糖化の影響を受けると、

代謝がますます行われなくなっていきます。

 

こんな感じの悪循環が起こって、老化が進行していくというわけです。

 

これが内臓で起これば、当然機能低下につながります。

抗糖化化粧品って意味ある?

糖化という言葉がこの業界で使われ始めたのが2009年頃からです。

そして、抗糖化作用について調べられ始めたのがここ最近です。

 

つまり、何に抗糖化作用があるのか、今まで調べてないので、

何がいいのか、手探りで探している状況です。

 

1つの方向性としては、色素系の成分、ポリフェノールやフラボノイド系の

ものに抗糖化作用があるようですが、現状、抗糖化作用があるといわれている

成分はたまたま調べたらあったというもので、今後、調べれば調べるほどでてくると思います。

 

抗酸化作用があるものがワンサカあるようにね。

 

で、あくまでも糖化を防ぐ作用であって

糖化タンパク質を元に戻すものではないってこと

 

抗糖化のサプリメントも昨今では色々とでていますが、

しっかり量を取ることができれば、糖化から体を守ることは可能ではあります。

ただ、あくまで糖化を予防するだけなので、すでに糖化してしまったタンパク質は

代謝されるのを待つしかないので、年齢を重ねれば重ねるほど、変化がでにくいです。

 

蓄積されたAGEsが多いのと、代謝が遅くなっていますからね。

 

逆に早いうちから始めておけば、そのアドバンテージは大きいですが、

予防ってことになるので、これまた実感するのは10年、20年先になります。

 

ということで、なかなか売りにくい商品ではありますが、

意味がないってことはないです。

 

まあ、急激に血糖値があがる糖分は控える、もしくは避けることをしつつ、

緑黄色野菜をたくさん食べ、毎日適度に運動すれば、不要でしょうけど。

 

 

で、化粧品の話でしたね。

うちも抗糖化を謳っている原料を使っているので、言い難い話なんですが、

たぶん、期待しているような効果はないです。

 

まあ、肌につけておけば、確かに肌の糖化は防げますが、

そもそも・・・肌が糖化するか?って話なんですよ。

 

 

糖化の影響を受けているのは真皮なわけですよ。

真皮のコラーゲンね。

で、糖化したタンパク質を元に戻すことはできない。

 

つまり、化粧品で抗糖化作用を期待するってのは

かなり無理があります。

 

もちろん、抗糖化原料はそれだけではなく、

他にも効能があるので、入っていることには意味はあります。

ただ、抗糖化作用を期待するのは酷な話かと。

 

じゃあ、抗糖化原料ってなんやねん!って話になると思いますが、

一番最初にでてきたメイラードの実験系に、●●エキスをいれて行ったら、

糖化反応が抑制された・・・って感じなんですわ。

 

で、体内に投与して、ちゃんと血中に乗れば、抗糖化作用は体内で起こります。

AGEsの測定はできるので、継続的に摂取し、どれだけAGEsの量が減ったか

ってのは確認されています。

(最近はここまで確認してない原料もでてきているかな?)

 

まあ、要するに、塗るより飲んだほうが抗糖化って意味では、

有意義であるということさね。

 

 

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