三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム
ポーラが「抗シワ」の効果をうたう医薬部外品を発売するそうです。
承認は得ており、来年初めには販売を開始する予定とのこと。
医薬部外品はこれまで「美白」や「肌あれ」に関する効果しか認められてきておらず、
抗シワという領域の承認は初。
この商品化までに15年もの歳月を費やしたそうです。
医薬部外品として認めてもらうためのデータ取りに時間がかかったのかな?
初めての領域なので、それくらいかかっても仕方ないってことでしょう。
化粧品の効果効能として、しわに対して触れてもよくなったのが、
2011年7月からなので、割と最近の話なんです。
で、意外なことに医薬部外品ではシワに対しての効果効能を謳えるものは
今までなかったわけです。
つまり、ポーラが独自で新たな領地を開拓したってわけです。
パないですな・・・
何が凄いって、肌の奥に位置する真皮に存在するコラーゲンなどを分解を抑制する効果がある
のですが、それはすなわち"真皮"への働きかけということになります。
それは医薬品にのみ認められてきた効果であり、今回、行政が医薬部外品による真皮へのアプローチを
認めたってことになるからです。
(まあ、化粧品は相変わらずダメなんですけどね)
さて、この抗シワ成分が何か?というのが気になるところではありますが、
成分名は三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム
なげー。
どんな物質か、想像もできんです(笑)
まあ、化学に詳しい人ならわかるかもですが、
あいにく私はあまり化学が得意ではないので・・・
開発者曰く、4つのアミノ酸で構成されたエラスターゼ阻害剤なんだそうです。
三フッ化イソプロピル、オキソプロピル、アミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピル、アミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウムってことになるのかな?
肌の炎症部では、肌にダメージを与える物質がでていることはわかっていましたが、
それが何か?というのが研究から、好中球エタスターゼという酵素が原因であることを
突き止めたそうです。
好中球とは白血球の一種で、免疫細胞です。
それが作る、エラスチン分解酵素。
この酵素が働くと、コラーゲン同士をつなげているエラスチンが分解されて、
立体構造を安定させにくくさせます。
喩えるなら、柱と柱を止めていた釘がエラスチンで、
その釘を引っこ抜くのがエラスターゼ。
で、あの長い成分が、このエラスターゼを阻害する力が最も強かったということだそうです。
なんと5000以上の素材から選び抜かれた成分なんだとか。
どうしてこの物質にたどり着けたのか?
こいつは何に含まれているのか?
どうやって作ったのか?
まあ、色々疑問はありますが、安全性は高いそうです。
シワの改善効果は、日本香粧品学会の「抗シワ製品評価ガイドライン」に沿って評価し、
「乾燥による小ジワ」に対する効果はガイドラインにおけるシワグレード1~3に対するものであるのに対し、
今回の評価では、シワグレード4~6というより深いシワに対する効果を確認しているそうです。
つまり、小じわだけでなく、ちょっと深いシワでも改善できますよーってことなんだとか
起こり得る副作用は、軽微なものから乾燥によるかさつきや紅斑、白斑、色素沈着など。
成分特性によるものでは、エラスターゼに炎症を抑える働きがあり、その阻害がマイナスに働く
可能性があるとか。医薬部外品申請に必要な安全性試験で問題のないことを確認してはいるとのこと。
医薬部外品では、薬用石鹸の件だとか、白斑問題など、色々と世間を騒がせています。
そんな中での、初の抗シワ効果での医薬部外品の承認とのことで、ポーラの背負う責任って
のは私たちが思っている以上に重圧があると思われます。
実際、ポーラ社長も承認を得た際には、「身の引締まる思い」との思いを口にしたそうです。
各社、しばらくは様子見でしょうが、抗シワでの医薬部外品の市場は
加熱することは間違いないでしょうね。。。
願わくは、どっちも使える原料がでてくるといいんだけどなー
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