赤い戦いは続く・・・
8月30日、まさかの富士フィルム敗訴の知らせが・・・
事の発端は、2年前の9月19日、富士フイルムがDHCの製品の一部が、
富士フイルムの特許を侵害しているとして、製造・販売差し止めの仮処分を
東京地方裁判所に申し立てたと発表しました。
仮処分申し立ての対象は2つの製品で、
富士フイルムは、有効成分のアスタキサンチンを効果が安定したまま微小化する
同社の特許に抵触していると。
当然、DHCはそれを受け入れられないわけで、裁判になります。
まあ、ざっくりいっちゃうと、アスタリフトをパクったDHCが
本家から待ったがかかったってことですわ。
見た目が似てるってのもありますが、価格帯が断然安いDHCのアスタキサンチンシリーズ。
販路も販促展開も非常に近いので、アスタリフトのパイをかなり食い荒らされている
ってのが背景にあります。
アスタキサンチンを使った、アスタリフトのパクり商品なんてかなり存在します。
ですが、それらは富士フィルムからしたら取るに足らない存在でしたが、
DHCは脅威となったわけです。
で、裁判の焦点となる特許ですが、
簡単にいうと、アスタキサンチンのナノ化についての特許です。
ナノ化することで、抗酸化力が高まり、安定性も上がるんだとか。
これはDHCのアスタキサンチンシリーズで使われていたもの。
まあ、これを見ると悪意があったと思われてもしかたないかな~とは思います。
んで、DHCは対抗策として、特許庁にこの特許自体の無効審判を請求します。
実は、この富士フィルムの一件の前にファンケルにも特許侵害で訴えられているのですが、
その時は、この無効審判で特許を無効化し、逆転勝利をもぎ取っています。
しかしながら、今回は宛てがはずれ、3月にはこの訴えは退けられています。
(こちらは知財高裁で審決取り消し訴訟が継続中)
ですから、さすがに今回はDHC負けんじゃね?
というのが一般的な見方だったわけですが・・・
まさか、DHCが勝っちゃうとはねぇ・・・
東京地裁は「富士フイルムの特許は進歩性が欠けており、無効とされるべきだ」として判決。
富士フイルムの特許出願前に、同じ成分を使った化粧品の情報がインターネットで公開されていたと指摘。
そのうえで、この情報を基づく発明は誰もが容易に類推可能であり、富士フイルムの特許は無効だとしたわけさ。
まあ、ナノ化技術自体は元々あったわけで、アスタキサンチンもそれ以前から扱われていたもの。
ナノ化したアスタキサンチンってのはあったのかもしれません。
(まあ、あったからそんな判決が下ったんだろうけど)
当然、富士フイルムは「特許庁が、有効と判断している特許であり、判決を不服として控訴する」とコメント。
一方、DHCは、「主張が認められて満足。富士フイルムの特許は明らかに無効である」とコメント。
この戦いはまだまだ続くわけです。。。
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