アトピー後の色素沈着 ダーティネック
ダーティネック(dirty neck)とは、成人期のアトピー性皮膚炎の患者さんに見られる
特有の皮膚変化を指す言葉です。
直訳すると「汚い首」となりますが、決してそういう意味ではなく、
「さざ波様色素沈着」のことを指しています。
その辺の配慮もあり、、「ポイキロデルマ様皮膚変化」とも呼ばれます。
ポイキロデルマは多形皮膚萎縮のことで、別の症状なのですが、
それに近い皮膚変化ということです。
さざなみ様の褐色の色素沈着(黒ずみ)や、色素脱失(白斑)、皮膚の萎縮などが混在した状態です。
アトピーを克服し、改善してくると姿を現すといわれます。
折角アトピーを克服したにもかかわらず、今度はダーティーネックに
悩まされる人は多いといわれます。
ダーティーネックはなぜ起こる?
ダーティネックはアトピー後の色素沈着のことで、
色素沈着の原因はメラニン。
ご存知の通り、メラニンは紫外線から肌を守るために作られる物質で、
通常は表皮にしか存在しません。
しかし、激しい炎症のあとは、メラニン色素の産生が一時的に高まり、
炎症後色素沈着を起こすことがあります。
ただ、これは半年から2年くらいでキレイになくなるといわれます。
一方、アトピーは慢性的に炎症を繰り返すことで、
基底膜(表皮と真皮の境)が壊れ、真皮へとメラニンが落ちていきます。
これが時間が経っても消えない色素沈着の原因となります。
たまにステロイドのせいだという方もいますが、
根本的な原因は慢性的な炎症であり、炎症を早く回復させるステロイドは
上手に使えば、逆に色素沈着の予防にもなります。
ダーティネックを治すには?
メラニンが原因なら、美白成分が有効なのでは!?
と考える方が多く、ハイドロキノンとか使われる方がいますが、
正直オススメできません。
理由は2つあり、1つは美白成分のほとんどはメラニン合成を抑制するもので、
これ以上メラニンを作らせないようにするためのものです。
できてしまったメラニンには、ほとんど意味を成しません。
もう1つは美白成分は炎症を引き起こす作用がある成分が多いこと。
肌が丈夫なら、なんら問題はおきませんが、
アトピーを克服したといっても、デリケートな肌であることには変わりありません。
また、表皮であればピーリングなんかも有効ではあるのですが、
これは真皮にできているので、残念ながら効果は薄いです。
基本的にはレーザーで焼くって治療が主流です。
お金もかかりますし、肌に負担をかけそうってことで、
二の足を踏む方は多いそうです。
あんまりそういった方法を取りたくないなー
という方は、とにかく保湿が大事になります。
また同時に、紫外線ケアが大事になってきます。
とにかく患部に紫外線を当てないようにする必要があります。
現状、決定打になるものはありませんが、
ヘパリン類似物質が非常に有効であるといわれています。
ヘパリン類似物質を含んだものを、塗りまくることで、
ダーティネックを克服したって人もいるそうです。
一般的なものはヒルドイドソフト軟膏がメジャーですが、
医薬部外品として、ヘパリン類似物質を含んだ化粧品も
複数でてきていますので、それらを使うのも1つの手かな?
まあ、肌の状態は人それぞれなので、
必ずしもすべての人に有効であるわけではないです。
1つの手段ってだけでね。
また、注意点としては、傷や炎症部には使えません。(悪化するので)
あくまでアトピーが治って、色素沈着が気になるってときの方法です。
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