植物の幹細胞って割と簡単にできるんですよ?
幹細胞といえば、iPS細胞やSTAP細胞を思い浮かべる人は多いと思います。
その為か、幹細胞を作るのは物凄い大変な技術が必要と思っている人も多いです。
我々の体は60兆個の細胞からできているといわれます。
すべて1つの細胞から分かれたものにも拘らず、
場所によって、全く異なる性質をもった細胞になっています。
皮膚の細胞と肝臓の細胞は全く別物ですし、
皮膚の細胞を取り出し、培養しても皮膚の細胞にしかなりませんし、
肝臓の細胞を取り出しても、肝臓以外の細胞にはなりえません。
しかし、元をただせば、同じ細胞から分化しているんです。
で、このなんにでもなれる大元の細胞、つまり万能細胞のことを幹細胞といい、
一度分化してしまった細胞を幹細胞に戻す技術が、
現代科学の最前線で研究されているってわけ。
動物細胞は未だに技術的に幹細胞化は非常に難題ではありますが、
植物細胞はそうでもないんす。
植物細胞の幹細胞化はとっくの昔に確立されています。
植物細胞の幹細胞、まあ未分化の細胞をカルスと呼ぶんですが、
聞いたことないですかね?
高校の生物の教科書にでてくると思うんですが・・・
で、なんか授業でカルス化の実験もした記憶があるんですよ。
確か、人参だったかな。
まあ、高校でやったか、大学でやったかは定かではないんですが、
なんか培養して、観察した記憶があります。
何がいいたいかって、授業で学生が作れちゃうようなことってことですわ。
とはいえ、家庭で作るのは無理ですけどね。
作り方は
①植物を切って、殺菌する
②ショ糖と植物ホルモンを含んだ培地にのせる
以上です。
無菌状態でやらなきゃなので、クリーンベンチが必須ですし、
植物によってホルモンのバランスが異なりますが、
まあ、方法としては同じです。
植物細胞はオーキシンとサイトカイニンと呼ばれる植物ホルモンを使います。
なんか、これも何種類かあるらしいです。
一般的に使われるのはオーキシンは2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、
サイトカイニンはキネチンを使うそうです。
濃度はどちらも1ppmであれば、大概の植物はいけるそうで、
あとは、そこから微調整します。
培地はMS培地というのがあって、カルス化のための培地で、
もうMS培地の素みたいなものが売られています。
pH調整は必要で、pH5.8がよいそうです。
で、これらを応用して、色々な植物幹細胞が化粧品で使われるようになりました。
まあ、幹細胞が注目されるようになったのは、iPS細胞やSTAP細胞の影響が
大きいんですけどね。
なんか凄そうってイメージが定着しましたからねー
厳密には幹細胞がそのまま入っているわけではないです。
あくまで幹細胞培養液。
いくら幹細胞っていっても、自分の細胞以外は異物ですからね。
たとえヒトの幹細胞だったとしても、あなた以外のヒトの細胞だったら、
異物扱いで免疫の攻撃対象です。
また、熱をかけて滅菌するので、幹細胞も死にます。
だから、幹細胞培養液でいいんです。
ちなみに、現状確認できる幹細胞は、
最もよく使われているリンゴ幹細胞をはじめ、
アルガン幹細胞、コンフリー幹細胞、ブドウ幹細胞、アルペンローゼ幹細胞、バラ幹細胞・・・
正直、なんでもできるので、今後さらに広がりを見せることになるでしょう。
オーダー出せば、ある程度はなんでも作ってくれるってとこもありますしね。
将来的には竹の幹細胞培養液を作ってみたいなーなんて思ってます。
(効果があるかどうかは知らんけど)
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