ω6系の脂肪酸の弊害ってやつですね
セラミドは脂肪酸とスフィンゴシンでできています。
リノール酸の脂肪酸なので、セラミドの原料となります。
上図は皮膚にある特殊なセラミド、つまり脂肪酸の長さが長いセラミドを
作る際の合成経路ってやつです。
極長鎖脂肪酸伸長酵素ELOVLの働きを示したものでもあります。
ELOVLノックアウトマウスを作ると、長鎖脂肪酸が作られなくて、
生後すぐに干からびて死んでしまうので、地上で生きていくのに
如何に重要かって話です。
で、ω6系統とω3系統は独立した流れを持っています。
むしろ、拮抗するので、どちらかを多く取り過ぎると・・・
というか、ω6が通常は過多になるので、ω6系のオイルは
控えろって話になります。
ω3系の経路でできた脂肪酸はアシルセラミド、
まあ、セラミド1とかになるわけですが、これがないとバリア機能が弱まり、
また、脆いバリア層になることがわかっています。
つまり、ω6優位な状況、ω6脂肪酸を取り過ぎている人は、
セラミド1が作られず、非常に脆弱なバリア層を形成しているというわけ。
さらに、ω6系の経路はリノール酸からアラキドン酸になるんですが、
こいつがちょっと面倒な脂肪酸なんですわ。
アラキドン酸カスケードと呼ばれる反応で、
まあ、簡単にいうと炎症促進反応です。
カスケードとは「滝」という意味で、
滝のように瞬く間に反応が進んでしまうことをいいます。
つまり、アラキドン酸が多いと、些細なことでも
凄い炎症引き起こしてしまう可能性が高くなるわけ。
で、炎症はセラミドを分解する酵素が働くせいで、
バリア機能が低下するわ、足しても分解されちゃうわで、
なかなか治りません。
いわゆるジャンクフードと呼ばれるもの、揚げ物、スナック菓子などなど・・・
体に悪そうなものは、当然肌にも悪いわけです。
なんで悪いかというのをまとめると、
1つはω6が増えるとω3の働きを邪魔するので、
結果としてω3を材料にしているアシルセラミドが作られず、
脆ろいバリア層になってしまうってこと。
もう1つはω6系はアラキドン酸の合成をしてしまうので、
これを引き金とする炎症系が活性化することで、
炎症によりセラミド分解酵素が活性化、その結果、セラミドが減るってわけ。
そういう意味では、ω3系はお肌にも良いってことになるかな。
DHAとかEPAとかね。
サプリメントで流行って入るけど、
あんなもんじゃ、全然足りないですからね・・・
エゴマ油とか亜麻仁油とかを使うようにしたり、
極力、ω6系のものの摂取を控える努力はしたほうがよいかな。
ちなみに、ω6を一切とらないってのも欠乏症になるので、
ほどほどには必要なので、その辺も覚えておいてくださいな。
必須脂肪酸なんですよ。(体内で合成できない)
しかも、アシルセラミドを作るのにも、リノール酸は必須なんですよねー
つまり、バランスが大事ってことです。
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岡本 (日曜日, 26 5月 2019 21:09)
リノール酸が多く含まれていると言われているウチワサボテンオイルやひまし油などは結局、どうなんでしょうか?物によって配合量は違うのだろうはとは思いますが、解説して頂けだら嬉しいです。
森崎 (月曜日, 27 5月 2019 15:44)
この話は経口摂取の話で、あんまりサボテンオイルとかヒマシ油を摂取するって話は聞かないのですが、
摂取可能なものなのでしょうか?現代人はω6の取り過ぎって話なので、リノール酸が多いってことは、
おそらくω6系のオイルなので、まあ似たようなことにはなるとは思います。
塗布となると、おっしゃるように組成で違いがでてきます。