オートファジーの研究が進むと?!

細胞の自食作用「オートファジー」でノーベル賞受賞

ノーベル医学・生理学賞が決まった大隅良典氏が細胞の自食作用「オートファジー」の仕組み

を解明したとして、ノーベル医学・生理学賞を受賞。

この働きを促進したり、阻害したりすることで治療法の開発を目指す研究が活性化することでしょう。

 

非常に素晴らしいニュースなんですが、イマイチよくわからないと

思っている人も多いのはないでしょうか?

 

 

オートファジーってなに?

自食作用と書くように、元々は栄養不足を補うために、

細胞内の成分を分解し、再利用するというように考えられていました。

 

まあ、タコが自分の足を食べるみたいな感じを、想像してもらえればわかりやすいかな。

 

ただ、実際はそれだけにとどまらず、様々な作用をしていることがわかってきました。

例えば、ウイルスや細菌を取り込んで溶かしたりする免疫作用、

不要な蓄積物を分解して処理する浄化作用とか。

 

 

 

いきなり膜がでてきて、その膜が細胞内のものを包み、

リソソームという酵素が詰まったものを取り込み、

分解するって現象になります。

 

 

オートファジーで何ができるようになるの?

①アルツハイマーの予防

アルツハイマーはアミロイドβの蓄積により脳細胞が死滅してしまうことで起こりますが、

このタンパク質の処理はオートファジーで行われていることがわかっています。

つまり、オートファジーがきちんと機能していれば、アミドイドβは蓄積せず、

アルツハイマーを予防できるというわけ。

同じような仕組みからパーキンソン病の予防にも期待が寄せられています。

 

②糖尿病の抑制

オートファジーの活性が弱まると、糖尿病を悪化させることがわかっています。

糖尿病によるタンパク質の糖化による、老化タンパクが処理できなくなると、

糖尿病が悪化するのだそうな。

つまり、オートファジーを活性化すれば、糖尿病の進行を抑制できるかもしれません。

 

③脂肪肝の改善

高脂質なものをとると、オートファジーを抑制する成分であるルビコンが増加し、

細胞内の脂質を処理できなくなって、脂肪肝が悪化することがわかっています。

ルビコンの働きを抑制すれば、脂肪肝の改善につながるかもしれないといわれています。

また、オートファジーが活発なら、脂肪も処理してくれるということなので、

肥満の治療などにも期待が寄せられています。

 

④高血圧の治療

血管を委縮させるタンパク質が存在す、これが高血圧になる原因だといわれます。

本来、オートファジーにより処理されるタンパク質ですが、やはりオートファジーの

作用が弱くなると、発病する仕組みのようです。

つまり、オートファジーを活性化できれば、高血圧の治療も可能かもしれません。

 

⑤がんの治療

癌細胞は、抗がん剤の効果によって、栄養不足になるが、

なんとオートファジーの力で、不要なタンパク質を分解して生きながらえるそうです。

もし、ガン細胞内のオートファジーのみを抑制できれば、ガンの治療に大きく

貢献できるかもしれません。

もっとも、オートファジーを促進する物質、抑制する物質が存在しており、

このバランスが保たれることで、正常な細胞を維持できるわけですが、

このバランスが崩れると細胞のガン化につながるとか。

そもそも、ガンを予防するためには、バランスをとることが重要になってくるかもしれません。

 

 

まあ、簡単にいうと、疾患の治療に関して、今までとは全く別のアプローチが可能

になるかもしれないって話です。ある種の盲点だったわけですね、今までは。

で、その新たなる可能性を見出したことが評価されたってわけ。

 

 

 

さてさて、美容業界ではどんなことが起こりうるだろう?

 

 

1つは肌のデトックス商法ってのが出てくるかもね。

あなたの肌でオートファジーの活性が低下しています。

そのため、肌に毒素がたまっています!

これが原因で、シミとかシワになってるんですよ!

足し算の美容の前に、引き算の美容を!

 

なーんてね。

で、この成分がオートファジーを活性化しますとかなんとかいって、

商品を売るわけさね。

 

 

もう1つは、オートファジーでなんだか、細胞が若返るみたいな

イメージを抱く人もいるんはないかな?

それを意図的に誘導して、あなたの細胞を若返らせる、

唯一の成分なんたらかんたら・・・ってな感じの商品がでてくるかも。

 

 

あとは自食作用ってのに注目して、

健康には自分の細胞が必要だ、みたいな解釈で、

自分の細胞培養液を化粧品原料、もしくはエステの処方でされるかも。

 

つまり、自分の細胞の素をつけるのだから、

自分の細胞にとって、最適な栄養素になるであろうってね。

自分の細胞内のものを溶かして栄養素として使うんだから、

外から入れても、同じことが起こるよね?なんて。

 

 

ふと思ったんですが、乳酸菌の死菌をとっても、

腸の乳酸菌が活性化するって話があるんですが・・・

これもオートファジー、つまり自食作用の一種なんかなって。

 

 

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