「セラミドなんて効かない」となる前に知っておいて欲しいこと
セラミドって皮膚の構成成分の中で、最も大事な成分の1つといっても過言ではないです。
あなたが水中で生活しているのでなければ・・・ね。
生物が陸地へと生活の場を移すことを可能にしたのが、
セラミドにより水分を守る機能なんです。
あなたは60%以上が水分でできていますが、
その水分が蒸発せず、維持されているのはセラミドあってのこと。
もし仮に、あなたの肌からセラミドが一切存在しなくなったら、
あなたは数時間のうちに脱水状態になり、死に至ります。
(遺伝子操作で、セラミドが作られないネズミを作ったら、
生後数時間で干からびた、というデータがあります)
幸い、すべてのセラミドがなくなるってことはあり得ませんが、
セラミドが減少し、肌が乾燥するという人は多いわけです。
セラミドを補うことは、肌にとっていい事なのは間違いありません。
しかしながら、セラミドの効果を実感できない人も少なからずいるのも
事実ではあるんですよね・・・
「セラミドなんて効かない!」という前に、以下のことをチェックしてみてください。
もしかしたら、セラミドの恩恵を受けれない理由がわかるかもしれませんよ?
①肌が炎症している
はっきり言います。
もし、肌が炎症してたら、セラミドを補ってもムダ。
炎症とはうまいことをいったものですよね・・・
炎症時に、セラミドを補うことは、
火事の真っただ中で、その家を直そうと、
柱やら瓦やらを持ち込むのと同じことなんです。
炎症部では、セラミド分解酵素が活性化しており、
次々とセラミドを分解している状況です。
そこへセラミドを補ったとしても、すぐに分解されてしまいます。
最優先で行わなければならないのが、炎症を抑えること。
すべてはそこからです。
②水性基剤にセラミドを溶かしている
セラミドは肌の細胞間脂質に存在しています。
文字通り、アブラであって、水との親和性は悪いです。
セラミドを補うのであれば、油性の基剤に混ぜたほうが効率的ですが、
あえて水性基剤に混ぜている商品は意外に多い。
効率が悪いうえに、水性基剤には溶かせる量が限られてくるので、
あまり配合できないという欠点もあり、なかなか効果を出しにくいんです。
③それヒト型?
ヒトのセラミドと同じ形のセラミド、
通称ヒト型セラミドでないと、ちゃんと肌のバリア機能を発揮しません。
馬セラミド、植物セラミドは糖セラミドであり、
セラミド+糖という構造をとっています。
しかも、セラミドの部分は非ヒト型。
万が一、糖が外れようものなら、非ヒト型のセラミドが
規則正しく並んだセラミドの配列を乱し、隙間ができた壁となってしまいます。
(実際は、外れないのでその心配はないんですが)
セラミドはまるでパズルのように、びっしり隙間なく列をなしているんです。
不正解のパズルを無理やり押し込むと、パズル全体がゆがんだり、隙間ができたり
するでしょ?あれと全く同じことが起こるんですわ。
ヒト型でも光学異性体と呼ばれるものだと、鏡映しのような構造になっているので、
明らかに配列の邪魔になります。
通常、自然界には存在しない光学異性体も、合成ではわずかに生じることがあります。
現在、国内で流通しているセラミドは、この光学異性体を排除したものですが、
非常に安価なセラミドは、光学異性体が混ざったままってのも、ないことはないです。
万が一、光学異性体のものをつかまされたら、
バリア機能は衰える一方ですので、ご注意を。
セラミドの原料メーカーは把握しておいたほうが望ましいですが、
まあ、難題ではありますわな。
④濃度は必要量含まれている?
セラミドは低濃度でも効果がありますが、
ある程度の濃度は確保しておきたいところ。
少なくとも0.01%、可能であれば0.05%くらいが望ましいです。
0.01%以下だと、なかなか実感しにくいと思いますし、
実感できたとしても、時間がかなりかかることになります。
各社原料メーカーのデータを見ていくと、
おそらく0.2~0.3%くらいが最大効果の濃度なんじゃないか、
と個人的には推測しています。
(それ以上はあんまり変わらんと思います。効果としては)
答えてくれるかは知りませんが、
確認できるにこしたことはないでしょうね。
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