透明って大事?
セラミドは水にも油にも溶解性がないので、
まあ、扱いにくい原料ではあるのですが、
セラミドを溶かして透明化するのは、非常に難しく、
色々な企業がセラミド溶液の透明化に挑んできました。
個人的には、濁ってても良くね?と思うんですけどね。
透明じゃないと売り上げに影響するん?
消費者は透明のほうが好きなの?
シャンプーは本来、水と界面活性剤でできているから、
透明になるんだけど、白く乳液っぽくしたほうが売れるって話を
聞いたことがあるんですが、化粧水は逆なんかな?
まあ、どっちでもいいけど。
ニーズがあるから挑んできたんだろうし。
さてさて、セラミドを溶解すると濁るのはなぜかといますと、
こんな感じになっていて、いわゆるミセル化ってやつでして、
この粒子が光を反射して、白く濁って見えるわけです。
まあ、そもそも乳化ってくらいですからね。
で、透明化するには、この粒の大きさを可能な限り小さくするってのが1つの方法になりますね。
2008年にポーラがこの方法で1%のセラミド配合でも透明化に成功しています。
リポソーム化をするので、レシチンかリン脂質が必要になってきます。
Phytopresome Cera-V を使えば、水添レシチンんをたくさん含んでいるので、
これによるリポソーム化を起こせるので、ある程度は透明化することができます。
セラミドとして0.04%くらいまではいけるかな?
処方方法は溶剤(BGなど)とPhytopresome Cera-V70~80℃にて加熱攪拌して均一に分散させ、
あらかじめ70~80℃℃に加熱した水に ホモミキサー1,000-3,000rpmで攪拌しながら混ぜます。
温度を保ったまま、ホモミキサーで8,000rpmにて15分攪拌後、冷却するとできます。
まあ、それなりの設備が必要になるけどね。
別の方法は、特定の非イオン性界面活性剤および、ヘキサンジオールまたはペンタンジオールを
用いることで可能になります。持田製薬が特許を持っているのかな?(特開2001−316217号)
非イオン性界面活性剤は
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル
なんかいっぱい登録されてんな。
1%くらいまでは透明化できるそうな。
小林製薬も特許もっているぽいです。
セラミドに高級脂肪酸、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、多価アルコール、
クエン酸ナトリウム、並びに水を含有することで透明化できるんだそうな。
~0.05%まで可能なんだそうです。
これらは、ミセル化の粒子そのものを透明化する方法です。
まあ、こんな感じ。
あとは、乳化させずに分散する方法かな。
増粘剤、ポリマーを使って、分散させちゃう方法。
ジェルとかならこれでもいけます。
特許とか取っちゃうくらいですから、セラミド溶液の透明化は
それだけ難しいってことですわね。
それができるってのは、ある意味、技術力の誇示につながるかなー
(業界の人しかわからんけどね)
まあ、ぶっちゃけ、普通はセラミドを水に溶かすだけでも
四苦八苦するわけで、透明化なんて言ってる場合ではないです。
で、予め水に溶けやすくしてある原料を使うわけです。
セラミドプレミックスはだいたい混ぜるだけでOKな状態になっています。
水に溶かせば溶けるし、再結晶化する心配もないです。
ただ、原料そのものが白濁しており、
水に牛乳を入れるのと同じで、沢山入れれば入れるほど、
白くなります。
では、これを透明化するには?
1つの方法は、超高速回転で長時間混ぜることで、ナノ化させる方法かな。
ゲオール化学の液化クリームの技術を使えばできなくもないです。
(粒子こ細かくするわけです)
まあ、プレミックス使っている時点で、透明化しようってのは
無理がある話でして。そもそも意味ないし。
(仮に可能でも、薄いって思われるだけですからねー)
結局何が言いたいのかって話ですが、
透明だからセラミドが入っていないっている理屈は通用しませんってこと。
セラミド化粧水はどこも濃度を開示していないので、
ただでさえ困難なのにねえ。
「うちの化粧水には他所と比較すると、沢山セラミドが入っているんです!」
ってのは、なかなか言えんわな。根拠ないから・・・
(薬事的にも比較になるから言えませんけどね)
※弊社はそもそも化粧水にはセラミド入ってません。
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