界面活性剤フリーを可能にする新素材
キトサンといえば、カニの甲羅などからとれるキチンから精製されるもので、
工業用から食品と幅広く使われています。
サプリだと油などを吸着して、排出してくれるとのことで、
ダイエットサプリなんかに使われています。
で、そんなキトサンに脂肪酸を結合させた新しい素材が開発されたそうな。
作ったのは天然新素材科学研究所株式会社というベンチャー企業で、
静岡県立大学と共同研究しているそうな。
で、この新しい原料は「エクセルキトサン」と呼ばれています。
キトサン誘導体ってことですが、作用は乳化剤。
で、このエクセルキトサンの特徴は
①強電解性であるため、酸性のみならず中性、アルカリ性でも水に溶解可。
同時に、水溶液の物性は、各種の物質と共用することが容易。
つまり、とっても溶けやすくて加工しやすいってこと。
②長鎖脂肪酸をキトサン1 残基当たり10~20% 結合しており、オイルに対して強い乳化力を示し、
乳化が長期間安定。また、脂肪酸の存在で皮膚とのなじみが良い。
つまり、簡単に安定的に乳化できますよってこと。しかも使用感もよいってわけ。
③キトサンのアミノ基を多数残す事及び四級アンモニウム基の導入により、
抗菌性や保湿などキトサン本来の機能として知られる様々な薬理的機能を保持。
つまり、乳化剤にして、防腐作用と保湿作用を兼ね備えているということ。
④疎水性表面を持つ二酸化チタンや酸化亜鉛等の粉末の表面に吸着し、水中で安定に分散可能。
よくあるナノ金属のコーティング剤として使えますよってこと。
⑤正電荷を持つことにより、皮膚や毛髪との相互作用が大きい。
つまり、陽イオン性界面活性剤のような働きもできるので、コーティング剤にも使えるわけさ。
しかも、安全性は非常に高いとのこと。
細胞生存率の試験では、細胞が死ぬどころか増えているという結果に。
細胞賦活作用まであるんじゃね?って勢いです。
で、メーカー曰くですが、エクセルキトサンは多機能性化粧品新素材で、
以下のような働きが期待できるんだとか。
①素肌のNMFを増加させる保湿作用
② ダメージを受けた肌を保護し、肌荒れを改善
③ 角質層との親和性を高める肌のバリア機能向上
④シワ・タルミを抑制する老化防止作用
⑤細胞レベルで若返りを促進する細胞活性作用
⑥皮膚常在菌のバランスを整える清肌作用
⑦清らかな質感を体感できるすべり感向上作用
⑤の細胞活性作用は、細胞生存率の試験でそうれっぽいデータが
でていますが、残りのは実際にどうかはちょっとわかりかねますかね。
⑥は抗菌作用があるので、選別的に作用する??
②、③、⑦は肌表面に膜を張ることになるので、
まあ、なんとなく想像できるかな?
④はちょっとわからん。
まあ、非常に面白そうな原料ではありますが、
残念ながらとあるOEMメーカーが専売しているんで、
原料を買うことができないっぽい。
エクセルキトサンを使って、オリジナル性を持った商品を作りたければ、
そこに頼むしかないってことさね。
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