D-グルタミン酸がバリア機能を回復させる

D-グルタミン酸が細胞間脂質の合成のスイッチになる?

D-アミノ酸といえば、資生堂が国内で第一人者といっても過言ではないかな。

それくらい力をいれてやってます。

D-グルタミン酸ってのは、D-アミノ酸の一種になります。

 

原子は同じで、分子式は同じでも、立体構造が異なる物質を

光学異性体といいます。

 

光学異性体は性質がことなることが多く、

また、自然界には一方しか存在しないものもあります。

 

で、アミノ酸はずっと生物にはL‐アミノ酸しかないと考えられていましたが、

ヒトの体の中にもD-アミノ酸があることがわかってきました。

これを見出したのが資生堂ってわけです。

そのため、他ではD-アミノ酸について触れることはまずないです。

 

 

D-アミノ酸の一種「D-グルタミン酸」が、幼児の肌に多く20代以降急激に減少することを発見。

20代では1/3の量になってしまいます。

(まあ、もともと非常に微量ですが)

 

 

ただ、逆に老化によって増えていくという説もあり、

白内障の水晶体にはD-アミノ酸が多く存在するとか、

アルツハイマー症の脳にもD-アミノ酸が多くみられるとか、

老化物質として考えている学者さんもいるみたい。

(代謝されない部分ではD-アミノ酸が蓄積していくみたいです)

 

ただ、この度の資生堂の発表では、D-グルタミン酸が

肌のうるおいを守る角層のバリア機能の回復を促す効果があることを

世界で初めてヒトの肌で実証したとのこと。

 

 

D-グルタミン酸の肌のバリア機能への効果を解明するために、

人為的に素肌の表面を荒らした状態を作り、D-グルタミン酸を塗る部位と塗らな

い部位に分けて肌の回復状況を測定した結果、

 

D-グルタミンを塗った部位は4時間後には肌のバリア機能が回復したが、

D-グルタミン酸を塗らなかった部位は肌のバリア機能が著しく悪化したそうな。

 

この結果から、D-グルタミン酸が肌あれを改善し、バリア機能を回復させる効果があるのでは?

という話になるわけです。

 

D-グルタミン酸が肌内部からの水分蒸発を防ぐ「細胞間脂質」を

補給するスイッチをONにする機能があることがすでに明らかになっており、

まあ、要するにセラミド合成を促進するってわけさね。

 

 

赤ちゃんの時にD-グルタミン酸が多いのは、代謝が激しいからなんだろーな。

どんどん、肌に必要な成分を作らなきゃいけないので、

そのスイッチとなるD-グルタミン酸がフル稼働している状態で、

20代ともなれば、そこまで必要なくなるってね。

 

だから、ダメージ部分に塗布することで、

急速にバリア機能が改善されたのではないか・・・と。

 

健康な状態の肌であった場合、どのような変化があるのか・・・

ってのは知りたいところですが、今回のデータからはそこまでは読み取れません。

まあ、赤ちゃんのような肌になればいいのですが、現実問題、無理だろうなー

 

 

余談ではありますが、発酵物にはD-アミノ酸が含まれていることが多々あり、

身近なところでは黒酢とかに多く含まれているそうです。

 

D-アミノ酸は体内では微量ですが、微量でも高い生理活性があるのではないか?

と考えられています。

黒酢を飲むと体にいいよーってのはD-アミノ酸が関係しているのかもしれませんね。

 

まあ、実際にどの程度の影響力があるのかってのは

よくわかんないんですけどね。

 

将来的にはD-アミノ酸の存在意義ってのが

明確になる日がくるとは思います。

そう遠くないうちにね。

 

逆に老化との関連性も明らかになるんでないかなー

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