ビタミンDが感染症予防に効果があるらしい
ビタミンDは紫外線を浴びれば体内で勝手に合成してくれる成分。
そのためか、あまり重要視されていない節があります。
骨の形成にビタミンDはなくてはならないってのをはじめ、
アレルギーの抑制効果もあることがわかっています。
今回は、感染症の予防にビタミンDが有効であるというお話。
米国マサチューセッツ総合病院の研究結果で、詳細は「BMJ」オンライン版に掲載されています。
研究は、ビタミンD欠乏症を有する人11,000人以上を含む25件の
無作為化比較試験参加者データのメタアナリシスで行われました。
11,000人の中から、適当に選んで、
それを25回繰り返した結果を総合的に判断したといえば、
わかりやすいかな。
分析の結果、毎年世界中で数百万人の死亡原因となっている
急性呼吸器感染症予防にも効果があることが判明したそうな。
ビタミンD欠乏症(血中濃度が10mg/dL未満)の人に毎日もしくは
毎週のビタミンD投与をすることで、呼吸器感染のリスクを半減させることが明らかとなりました。
もっとも、高用量のビタミンDを投与しても大きな利益は得られない人も存在したので、
ビタミンDとは別に、もう1つや2つのファクターが存在するかもしれません。
(それについては現段階ではわかりません)
まあ、ビタミンDが不足している人に、ビタミンDを補ったら、
風邪をひきにくくなったって話なので、
そもそもビタミンDの摂取が十分な人には特に恩恵はないかも。
日の光を浴びて遊んでいる子は、家の中で遊んでいる子よりも
病気になりにくいってのは、もしかしたら、ビタミンDの影響なのかもしれませんね。
ビタミンDを高濃度で摂取すると、花粉症やアレルギーなどの緩和が
見られるってことから、免疫系に影響を与えているってのは
間違いないかなーと個人的には思っています。
アレルギー反応を抑えるってことは、免疫の働きを抑えるってことです。
一方で、感染症を防ぐってことは免疫を強くするってことです。
この相反する作用を持つってことは、
ビタミンDには免疫系のバランスを取る効果があるのではないかと。
リンパ球の1つにTh1、Th2ってのがありまして、
簡単にいうと、Th1はウイルスや菌などの外部からの侵略者を直接攻撃し、
Th2は抗体というミサイルで遠隔的に攻撃します。
Th1、Th2は互いに牽制し合っています。
まあ、バランスをとっていると。
で、抗体は炎症反応を誘発するので、Th2が優位になると、
炎症反応が誘発され、アレルギー症状を引き起こします。
現代社会ではTh2が優位な人が多いので、
ビタミンDによってTh1が活性化され、バランスが取れるのではないか?と。
小難しい話はまあ置いといて、インフルエンザなどが流行る時期です。
紫外線を浴びることで、風邪予防になるなるなら、多少は当たるべき・・・か?
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