分散美白作用?!
トウキは、山の岩地に生えるセリ科の多年草です。
この根を湯通しして乾燥したものは「当帰」と呼ばれる漢方の1つ。
冷えや貧血などの改善効果、婦人病などに効果があるとされます。
「当帰」の由来は、「当(まさ)に帰る」を意味するとされており、
「あるべき状態に戻す」という当帰の効能が、名前の由来になっていると言われています。
抗炎症作用があるほか、血管拡張作用があるので、
血流改善効果も期待される原料になります。
ちょっと主役を張れる原料ではないですが、
名脇役として、色々な化粧品に使われています。
この原料は丸善製薬のもので、研究の結果、
非常にユニークな美白効果があることが判明したそうな。
美白原料のほとんどは、メラニン合成を阻害するものです。
メラニン合成を予防する成分であり、できてしまったシミには
一切効果はありません。
がしかし・・・
美白化粧品を使う多くの女性はシミを消したいとの思いで使っているわけです。
ですので、従来のアプローチと異なる美白、
シミを消すようにアプローチする原料が求められているわけです。
トウキ根エキスはまさに、それを叶える原料である・・・かもしれません。
シミの奥の基底細胞では、メラノソームの過剰な蓄積があり、
その蓄積と分布がシミの見え方に影響していることが知られています。
まあ、メラニンが1か所に固まっているから目立つってことですね。
年齢とともにターンオーバーが停滞しがちになることに加え、
シミ部位では過剰蓄積したメラノソームのせいで細胞分裂が低下してしまいます。
つまり、シミの原因であるメラノソームがシミを定着させる原因にもなっているわけです。
では、メラノソームを分解すれば、シミは消えるわけです。
さらに、メラノソームがなくなれば、代謝も正常化するわけで、
肌がキレイになるってなわけです。
メラノソームにはカテプシンという酵素が分解してくれるという事がわかっています。
カテプシンはタンパク質分解酵素の1つになります。
色々種類があるのですが、メラノソームを分解するのはカテプシンⅤというもの
だそうです。
カテプシンⅤという酵素を活性化すれば、メラノソームが分解されることを利用して、
オリザノールをナノ化することでそれを富士フィルムが成功しています。
で、トウキ根エキスも同様に、カテプシンⅤの活性を促進し、
過剰蓄積したメラノソームの構造を分解、細胞内のメラニンを分散することで
居座りシミに対する視覚的見えにくくすることができるそうな。
まとめると
・カテプシン活性促進作用
・カテプシンmRNA発現促進作用
・メラノソーム分解促進作用によりシミの視覚的軽減効果
を期待できるそうな。
とはいえ、すぐに消えるわけではないですし、
完全に消えるわけではなく、目立たなくするといったものになります。
ただ、美白化粧品を作るとしたら、是非とも入れたい原料ではありますよね。
組み合わせ次第ではシミを消すことが可能になる日も来るやもしれません。
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