界面活性剤編
界面活性剤への偏見ってのは、一時よりは収束しているとは感じますが、
完全に払しょくされたわけではないんですよね・・・
界面活性剤=悪 ってのは、一部の企業により作り上げられ幻想なんですが、
なんて罪深いことしてくれちゃってんだか。
さてさて、今回は面白い界面活性剤が3点ありましたのでご紹介を。
OZ-300U(酒粕エキスパウダー)
酒粕は美容素材として非常に優秀な素材です。
で、この酒粕は日本酒メーカーとして300年の歴史をもつ老舗である大関のもの。
まあ、ただの酒粕エキスだったらスルーなんですが、
これの凄いのは、乳化剤としての効果があるということ。
まあ、O/W乳化なので、W/O乳化はできるのかはわからんけど・・・
酒粕には酵母が15~20%くらい含まれており、
この酵母の細胞壁にマンノプロテインというタンパク質が存在しており、
これを高濃度で抽出したものになります。
なんと、表示は酒粕エキス、デキストリン
これを使うと、界面活性剤なし(見た目的には)にすることができます。
正直、知らなければ、どうやって乳化しているんだ?
と困惑していたことでしょう。
当然ではありますが、肌刺激性なんて皆無です。
O/Wの乳化に関しての安定性はかなりのモノ。
元々はレシチンフリーのマヨネーズを作るために開発されたものなので、
経口投与での安全性も確かです。
まあ、コストの問題でマヨネーズの案件は飛んだそうですが。
あと、余談ではありますが、同じ大関からの原料で、
コメ発酵液ってのがあります。
これ、ようするに日本酒なんですが、一部でアルコール分を含んでいると
勘違いされている方々がいるみたいなので、その誤解を解いておこうと思います。
当たり前の話ですが、アルコールを飛ばしたものですから。
この原料にアルコール分は0.01%も含まれておりません。
ただ、独特の発酵物のにおいがあるので、勘違いしちゃうのかなー
アミノ酸などの天然保湿因子を程よく含み、
日本酒独特の成分であるグリセリルグルコシドは、様々な肌によい効果があるとされます。
ACS-Sophor
発酵法で合成されたバイオサーファクタント。
まあ、天然由来の界面活性剤です。
マフアの種子からとれるオイルを酵母で発酵することでできる物質で、
表示はマドフカロンギフォリアソホロ脂質
化学合成では作るのが困難な複雑な構造をした天然界面活性剤。
特徴としては、肌への刺激性がほぼないと言えるレベルであるとか、
抗菌作用が非常に高いとか、生分解性が非常に高いなど、いいこと尽くめ。
競合商品として、カネカのサーファクチンという原料がありますが、
正直、界面活性剤としてはあり得ないくらいの高価な原料です。
一方、これはかなり現実的な価格であり、水添レシチンとそんなに変わらない感じ。
起泡性が低いので、洗浄剤としては不向きですが、
乳化剤としては重宝します。
わざわざ消泡剤を入れてる必要がなくなりますから。
問題点は加工先での実績が皆無なので、
加工先から嫌がられるってことかねー
それなりの施設がないと、たぶんちゃんと使えないでしょうからね・・・
上の酒粕エキスと合わせれば、かなり安定性の高いクリームが作れるとは思いますが、
如何でしょう??
Amitose MGA
ビタミンC誘導体を界面活性剤にしちゃうというという、
荒業を行った原料。
表示はミリスチル-3-グリセリルアスコルビン酸
O/W型の乳化剤としての機能を有してるだけでなく、
ビタミンC誘導体としての効果も。
さらに、抗菌作用、抗酸化作用などもあり、
商品の安定性を増してくれます。
まあ、10%くらい使うので、どうにゃん?とは思いますが。
個人的にはビタミン誘導体を重要視してはいないのですが、
みんな大好きですからねー
これを使うメリットは大きいでしょうね。