低分子ヒアルロン酸が炎症を引き起こす?
とあるブログでヒアルロン酸が低分子になると炎症を引き起こすとかなんとかって
話があり、経口摂取でもよくない反応がでるのではないか?
とのご質問をいただいたわけですが・・・
うーん、どこから説明したものか・・・
元となる論文がこちらになるのかな。
Angiogenesis induced by degradation products of hyaluronic acid.
こんなのもあります。
50万分子量以下のヒアルロン酸に、新生血管生成の促進作用があるということと、
炎症を進行させる作用があるという話。
ヒアルロン酸の本来の分子量は300万前後。
ただ、化粧品で使われているヒアルロン酸は乳酸桿菌によって作られたもので、
分子量は10万~30万くらいになります。
50万以下だから、悪い反応を示すかというと、
角質層へも浸透できないので、新生血管を作ったり、
炎症を促したりすることはないです。
まあ、炎症部へ使うってのは避けたほうがいいかもですけどね。
特殊なもので、1万くらいのものもありますが、
これでも浸透はしません。
一般的な加水分解コラーゲンがこれくらいの大きさになります。
どんな時に問題になるかというと、
注射器で直接体内にぶっこんだ時。
ヒアルロン注射なんてものがありますが、
粗悪品を使うと大変なことになりますよ~ってこと。
あとは、老化に伴いヒアルロン酸分解酵素の活性が高まり、
体内で低分子化されたヒアルロン酸ができるかもしれません。
もしかすると、これが色々な病気に関わっている・・・
という可能性はなくはないかな?
んで、経口投与の話になりますが、
当たり前ではありますが、ヒアルロン酸をそのまま吸収することはないです。
消化という過程を経て、単糖もしくは二糖くらいになって、
はじめて吸収されます。
この状態はヒアルロン酸とは別物になってくるので、
ネガティブな反応が起こることもないです。
体内利用率は8%くらいと言われているので、
サプリで取ったところで、大した影響はないんですしね。
余談にはなりますが、ヒアルロン酸が関節によいってのは
半分正しくて、半分間違っています。
ヒアルロン酸は関節の潤滑剤となり、
関節炎がひどい場合は、ヒアルロン酸を注射されます。
1、2週間で効果が切れるので、再度打ち直す必要がありますが・・・
なので、ヒアルロン酸を取れば関節炎が治まるかというと、
そういうわけではないんです。
ヒアルロン酸ならなんでもいいってわけではなくて、
鶏冠から抽出されたヒアルロン酸でないと効果はないです。
発酵法で作られたヒアルロン酸には関節炎に対する効果は
ほとんどないです。
グルコサミンくらいの量を摂取すれば、
ある程度の効果は見込めますが、
だったらグルコサミン取ればよくね?
価格は1/100くらいなんだし。
じゃあ、美容のために・・・
と思うかもですが、個人的見解では効果はないと思ってます。
まあ、特殊なヒアルロン酸はわかりませんが、
発酵法で作られたヒアルロン酸は効果を感じることはないと思います。
1本1000mgのヒアルロン酸を配合したドリンクを
作ったことがあるんですよ。
通常、サプリメントで配合される量は1~10mgくらいですので、
異常なレベルですね。
これがまた、効かねーのなんのって(笑)
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