アスタキサンチンの抗炎症作用
肌内部の炎症を抑えることで、シワや乾燥の進行が遅くなる・・・
アスタリール株式会社が日本酸化ストレス学会誌(Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition)
で発表しました。
アスタリール社は富士化学グループで、富士化学といえばアスタキサンチンの老舗になります。
アスタキサンチンに関して多くの特許、研究データをもっています。
今回の発表は経口投与による、老化抑制効果をヒト試験で確認したというもの。
化粧品原料としては、かなりメジャーになってますが、
サプリメントでの知名度はイマイチですからね。
in vitroではヒトの表皮角化細胞を使って実験を行っています。
アスタキサンチンあり、なしでそれぞれに紫外線(UVB)をあてて、
炎症性サイトカイニンの分泌量を調べた結果、アスタキサンチンが
炎症性サイトカインの分泌を有意に抑制することが確認さらました。
この炎症性サイトカインは炎症を引き起こし、
その一連の反応でMMP-1などの分解酵素の産生を促進し、
コラーゲンなどを分解します。
つまり、炎症を抑えることで、シワの原因となるコラーゲンの減少を
抑えることが期待されるってわけです。
アスタキサンチンの炎症抑制は、抗酸化によるものであると思われます。
活性酸素によるダメージを軽減することで、炎症を抑えるというわけ。
in vivoでは健常女性65名に16週間の臨床試験を行いました。
1日当たり6mgまたは12mgのアスタキサンチン、プラセボのいずれかを経口摂取。
シワパラメーターと角層水分量を比較。
結果、プラセボ群は摂取前と比べ数値が悪化したのに対して、
アスタキサンチン摂取群は摂取前と変化がなく、
アスタキサンチンにより悪化が抑制されたことが示唆されたというわけです。
うーん、4ヶ月摂取で変化がないってのは
いささか寂しい結果であるような、ないような。
まあ、飲むことで体を守ってくれるってのは確かなので、
飲むことに意味はあるんでしょう。
予防的な意味合いが強い感じになるのかね?
また、炎症性サイトカイン(IL-1α )の量を測定したところ、
12mgアスタキサンチンを摂取した群は有意に抑制されており、
肌内部の炎症が抑えられていたそうな。
残念ながら6mgでは隠れ炎症は抑制することはできなかったみたいです。
これらの試験は8月~12月に行われており、
肌にとってもそれなりに過酷な環境なんでしょう。
で、とあるメーカーが老化の原因は隠れ炎症にあるとの主張をしていますが、
強ち間違いではないのかもねーと思ったわけであります。
見た目では異常はないにもかかわらず、
肌内部では炎症作用があるという結果ですからね。
今回はアスタキサンチンに、隠れ炎症を抑制する効果が確認されたわけですが、
アスタキサンチンに限らず、隠れ炎症を抑制することは、
老化を抑制するうえで重要になってくると言えるのかな?
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