ナノ型コンドロイチン
ん?ヒトが消化吸収できるコンドロイチン?!
今までは消化吸収できていなかったのか・・・?
丸共水産と北海道立総合研究機構(道総研)によって、
糖鎖オリゴマー(商標名:ナノ型コンドロイチン)を開発し、
量産する技術を確立したと発表がありました。
コンドロイチンはムコ多糖体と呼ばれる高分子ですが、
マイクロ化学プロセス処理技術によって、分子を切断し、
消化を経ることなく、直接吸収できるサイズまで小さくした
ってことらしい。
マイクロ化学プロセス処理ってのは、
特別な化学薬品などを使用せず、適切な反応条件において水だけで
多糖類の結合を切断し、低分子化するものなんだそうな。
道総研の開発した技術で、産学官連携研究開発事業の一環で
生まれた画期的技術らしい。
何でも、直接吸収量は通常のコンドロイチンの300倍以上なんだとか。
まあ、誤解を生む表現だな。
この吸収率の実験は、おそらくマウスの腹をかっさばいて、
腸に直接乗っけたら、どれだけ早く吸収されたかってのを見る
実験を行ったのだと思われ。
一番抵コストで行える吸収性試験ですので。
で、消化を経ていないコンドロイチンと比較すれば、
そりゃ、圧勝でしょうよ。
つまり、実質の吸収量で300倍もの違いはないと思います。
コンドロイチンの推奨摂取量は800~1500mgですので、
ナノ型コンドロイチンを2.7mg~5mgとれば同等の効果がある・・・
というわけではないです。
効果としては、自己免疫疾患に対する抗炎症効果、
ロコモティブシンドロームの改善などが期待できます。
まあ、関節炎に対する効果ってところか。
通常はサメ軟骨が多いのですが、こちらはカスべと呼ばれる
エイの一種から取られたコンドロイチンを使っているそうな。
北海道の地域海洋資源なんだとか。
コンドロイチンは特殊な酵素でないと分解できないそうで、
本来ヒトが分解できないそうな。
ただ、実際にコンドロイチンの経口投与による効果は確認されており、
逆になぜか?という議論がなされているのだとか。
まあ、医薬品でありますし、効くには効くってわけさね。
1つの仮説ではありますが、
おそらく腸内細菌によって分解され、
ある程度は吸収されているのではないか?
ってのが有力かな。
つまり、コンドロイチンの効果は腸内環境に依存するって可能性もあるわけさね。
多くの場合、関節痛を改善したくて飲むわけで、
まあ、それくらいの年になると、腸内の環境もあまりよろしくない場合が多く、
結果、効きにくくなるのかもしれません。
まあ、腸内環境に左右されず、
誰でも効果が発揮できるって点では画期的な原料かも。
ただ、コンドロイチンにも型が色々あって、
豚とか牛はA型、サメはC型になります。
特殊なものはイカ由来のE型ってのもあって、
このE型コンドロイチンが関節に最も効果があると言われます。
もしかしたら、E型が一番分解されやすい・・・
って可能性もなくはないのか。
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