経口摂取したコラーゲンペプチドは皮膚に届く
株式会社ファンケルが、経口で摂取したコラーゲンペプチドが皮膚にまで届いている
との論文を発表。
「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に掲載されています。
コラーゲンはタンパク質なので、胃と腸で消化酵素によって分解され、
アミノ酸として吸収されます。
ですので、コラーゲンを取っても無意味だ・・・
と主張する輩は未だに多いです。
結局は分解されて、再合成されるのであれば、
肉や卵を食べても結果は同じだとね。
しかしながら、近年、すべてがアミノ酸で吸収されるわけではなく、
ジペプチド、トリペプチドの状態でも吸収が行われており、
これらがコラーゲンの合成を促進することが明らかとなっていました。
ジペプチドはアミノ酸が2個、トリペプチドは3個結合したものです。
まあ、この実験はコラーゲンを摂取してというより、
予めトリペプチド化した原料を使っての実験ですけどね。
摂取後、血中のトリペプチド濃度が上がるってことは、
そのままの形で吸収されているってことを意味します。
で、それと相関して皮膚でもトリペプチドの量が増えることを確認し、
ちゃんと肌へと届いていることを示したわけです。
今までは
コラーゲンペプチド摂取⇒ペプチドの血中濃度が上がる⇒コラーゲン生成が向上
って流れまでわかっていたのですが、
ペプチドの皮膚濃度が上がっているってのを確認することで、
コラーゲン生成促進とコラーゲン由来のペプチドの関係性を明確にしたというわけ。
もちろん、トリペプチドは100%そのまま吸収されるわけではなく、
一部分解されます。
分解されたジペプチドもトリペプチドと同様の結果となっています。
ちなみに、このトリペプチドってのは、
Gly-Pro-Hyp (グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン)、
ジペプチドはPro-Hyp (プロリン、ヒドロキシプロリン)を測定しています。
ヒドロキシプロリンはコラーゲン特有のアミノ酸。
コラーゲン生成促進に関わっているとされるペプチドになります。
これがアミノ酸の状態になる、つまりプロリンとヒドロキシプロリンを
別々に摂取しても、コラーゲン産生を促進しません。
別の組み合わせも然り。
つまり、コラーゲンを増やしたければ、コラーゲンを取るのがいいってこと。
もちろん、コラーゲンだけ取ればコラーゲンが増えていつまでも若々しく
いられるかって言われたら、そんなに単純な話ではないですけどね。
コラーゲン生成には女性ホルモンが大きく関わっていますし、
補酵素であるビタミンCも重要。
また、コラーゲンを分解する酵素を増やす炎症を抑える必要もあるし、
糖化したコラーゲンはいつまでも居座ってしまうので、
それもどうにかしないといけない。
代謝自体が落ちるって問題もありますしね。
今回は肌の話ですが、もちろんそれだけではなくて、
骨や歯、関節、筋肉、髪の毛などにも効果があるかも・・・
とのこと。
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