それって・・・酸性水じゃ・・・
通常の水の10000倍の水素イオンが含まれている!!
という水を使った商品があるそうな。
うーん、水素水のことかと思っていましたが、
よくよく考えると、これってただの酸性水じゃね?
と思ったわけであります。
pH(ペーハー)ってのは、水素イオン濃度を示すもので、
pH = -log10[H+]で示されます。
まあ、簡単に言うと水素イオン濃度が高いと酸性、
水酸イオン(OH-)が多いとアルカリ性ってことになります。
この水素イオン濃度:[H+]と水酸イオン濃度:[OH-]には、
一定温度の条件下で水素イオン濃度:[H+]と水酸イオン濃度:[OH-]の積が
常に一定となる次のような関係があります。
これをイオン積といいます。
[H+]×[OH-] = 10-14(一定)
表にするとこんな感じ。
pH | 水素イオン濃度:[H+] | 水酸イオン濃度:[OH-] |
---|---|---|
0 | 1 (1 ) | 10-14 ( 0.00000000000001 ) |
1 | 10-1 ( 0.1 ) | 10-13 ( 0.0000000000001 ) |
2 | 10-2 ( 0.01 ) | 10-12 ( 0.000000000001 ) |
3 | 10-3 ( 0.001 ) | 10-11 ( 0.00000000001 ) |
4 | 10-4 ( 0.0001 ) | 10-10 ( 0.0000000001 ) |
5 | 10-5 ( 0.00001 ) | 10-9 ( 0.000000001 ) |
6 | 10-6 ( 0.000001 ) | 10-8 ( 0.00000001 ) |
7 | 10-7 ( 0.0000001 ) | 10-7 ( 0.0000001 ) |
8 | 10-8 ( 0.00000001 ) | 10-6 ( 0.000001 ) |
9 | 10-9 ( 0.000000001 ) | 10-5 ( 0.00001 ) |
10 | 10-10 ( 0.0000000001 ) | 10-4 ( 0.0001 ) |
11 | 10-11 ( 0.00000000001 ) | 10-3 ( 0.001 ) |
12 | 10-12 ( 0.000000000001 ) | 10-2 ( 0.01 ) |
13 | 10-13 ( 0.0000000000001 ) | 10-1 ( 0.1 ) |
14 | 10-14 ( 0.00000000000001 ) | 1 (1 ) |
つまり通常の水(中性)に比べ、水素イオンが10,000倍ってことは、
pH3の酸性水ってことになるわけですな。
ギリ弱酸性か。
まあ、この表現はなかなかいいかもね。
凄い還元力が高そうな水っぽいイメージを与えれますからね。
まるで水素水を使っています的な?
さてさて、この水を作る技術は確立されており、
すでに色々なところで使われています。
酸性とかアルカリ性にするのには通常、何か溶かすわけです。
例えば強酸で有名なのは硫酸。
H2SO4なので水に溶かすとH+が2個放出されるので、酸性になります。
まあ、これを電気分解で水だけで水素イオン、水酸イオンを
増減することで、水なんだけどpHが異なる水ってのを作ります。
pH1とかpH14の水ってね。
例えばpH1の水は腐りません。
それどころか、超強力な殺菌効果があります。
また、油汚れも劇的に落とすので、
安全性が高く、残留の心配が一切ないとして、
精密機械の洗浄から重機の洗浄などにも使われます。
不思議な話で、硫酸水なんて触ろうものなら、
皮膚が溶けてしまいますが、
この超酸性水って、そんな過激な反応はないんですよ。
長時間塗布したままだとどうかはわかりませんが、
ちょっと触ったくらいでは損傷はないです。
ちょっと皮膚が溶けるからなのか、ヌルってしますけどね。
なので、pH3くらいであれば、
ほとんど刺激はないかと思われます。
ちなみに皮膚のpHは4.5~6.0くらい。
中性よりの肌には良いのかもしれませんね。