過剰な免疫反応による慢性炎症の治療効果あり
北海道大学大学院薬学研究院生体分子機能学研究室の前仲勝実教授らの研究グループが、
アトピー性皮膚炎マウスを用いて、「HLA-G1」タンパク質が、過剰な免疫反応による慢性炎症疾患を
治療する効果があることを発見したことを発表。
この成果は7月1日、免疫学のオープンジャーナル「International Immunopharmacology」に
オンライン公開されています。
HLA-Gタンパク質はヒト主要組織適合性複合体のひとつ。
免疫関連の遺伝子は一か所にまとまって大きな遺伝子領域をもっているんですが、
まあ、そこから作られる1つのタンパク質ってこと。
何をしているのかというと、過剰な免疫反応を抑制します。
ヒトの胎盤で赤ちゃんを母体の免疫から守ったりします。
もちろん、全身あらゆるところの免疫の過剰反応を抑制しています。
いわば然の免疫抑制分子ともいえる存在です。
HLA-G1はそんなHLA-Gシリーズのなかでも
最も体内に多く存在しているやつです。
すでにリウマチに効果があることがわかっており、
関節の炎症を緩和したんだとか。
で、今回はアトピー性皮膚炎に対しての効果を調べたとのこと。
HLA-G1を炎症部に塗布した結果
確実に症状が緩和したわけです。
完治するかどうかはわかりませんが・・・
で、素晴らしいのが副作用がないってこと。
現段階はマウスの実験なので、ヒト試験では
もしかしたら何かしらの副作用があるかもしれませんが、
現段階では副作用がないアトピーの治療薬として有望です。
ちなみに1日15μgになるように調整された溶液を塗布した結果です。
副作用のない、ステロイドに代わるアトピーの治療薬として、
今後、注目を集めていくことになるんでないかなー
また、免疫抑制剤ってのは、なんだかんだ言って副作用が心配ではありますが、
もしかしたらHLA-G1がこの問題を解決する手がかりになる・・・かもです。
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