同じなわけありません。
お客様からのご質問で「アミノ酸とセラミドと同じですか?」
という内容でブログの記事を書いてほしいとのご依頼が。
正直、「犬と猫は同じですか?」と聞かれているのと同じレベルの話に
なるのですが・・・
おそらくは、アミノ酸とセラミドは同じようなものだと思っている
おバカさんの記事でも読んだのか、アミノ酸とセラミドを同じようなものだと
錯覚させるように誘導しているペテン師の記事でも読んだのでしょう。
「これ、ホント?」と疑問に思われたのでしょう。
たぶん。
アミノ酸とセラミドが同じという点は、
共に有機物ってことかな。
犬と猫でいえば、同じ動物っていっているのと同じです。
まあ、犬と猫は哺乳類なので、まだこちらのほうが近いとさえいえるかね。
アミノ酸はタンパク質を構成する最小単位。
五大栄養素ではタンパク質に分類されます。
食品の裏に書かれているタンパク質量にはアミノ酸も含まれています。
タンパク質は消化酵素によって、最終的にはアミノ酸に分解され、
小腸で吸収されます。
吸収されたら、体内でタンパク質へと再合成されます。
一方、セラミドはスフィンゴ脂質となります。
文字通り、五大栄養素でいえば脂質になるわけ。
セラミドを構成しているのがスフィンゴイドと脂肪酸なので。
つまり、アミノ酸とセラミドが同じか?というと問いは、
タンパク質と脂肪が同じか?と同じことを言っているといえるわけ。
同じなわけないっすよね?
お肌での働き、化粧品原料としてについても触れておきましょう。
アミノ酸は天然保湿因子の1つで、保湿成分として働きます。
角質層は角質細胞と細胞間脂質で構成されています。
天然保湿因子は角質細胞の保湿を助けるものです。
一方、セラミドは同じ保湿成分でも、細胞間脂質に存在します。
細胞間脂質の半分近くを占めており、セラミドによって細胞間脂質は
ラメラ構造を形成しています。
それによって、水分が体外へ出ていくのを防ぎ、
外部からの刺激のバリアにもなっています。
作用する場所が違うので、アミノ酸がセラミドの代わりになることはないですし、
その逆も然り。
個人的にはアミノ酸を化粧品で使うのは避けています。
ぶっちゃけ、OEMメーカーは入れたがる傾向にあるんですよ。
最初の試作ではどこで作っても、必ず入れてくるんですよねー
最終的にはぬくよう指示するわけですが、
効果は変わらん。
まあ、価格的にはほとんど影響がないので、入れていてもいいんですが、
個人的に好きでないってだけです。
ただ、アミノ酸のプレミックスを入れれば、
なんか凄い種類が入っているように見えるので、
入れているところも多いのも事実。
ようは、見た目の問題なんでしょうね。
余談ではありますが、アミノ酸の価格とセラミドの価格は
2ケタ、3ケタ違ってきます。
当然、セラミドのほうが高いっす。