マイオカイン

筋肉から分泌されるホルモン

あんまり聞き慣れない名前ですが、マイオカインとは、

筋肉が分泌する物質の総称で、50種類ちかく同定されているとか。

 

低分子のタンパク質で、微量で作用することからホルモンであるとされます。

 

マイオカインが何しているかというと、

筋肉を増やしたり、脂肪を減らしたり、免疫を強化したり、炎症を抑えたり・・・

と多岐にわたります。

 

筋肉は肉の塊ではなく、メッセンジャー物質を出したり、受けたりして、

体の調整をしている1つの器官であるってのが近年わかってきました。

その筋肉からのメッセンジャー物質を称してマイオカインというわけですわ。

 

若さを保つホルモンともいわれ、

成長ホルモンが負荷を与えないと分泌されないのに対し、

マイオカインはストレッチなどの軽く筋肉を動かしてやるだけでも

分泌されるために注目されています。

 

 

で、このマイオカインが皮膚の弾力維持に関わっている可能性があるとして、

ファンケルから発表がありました。

 

筋肉細胞を培養することで、マイオカインを含む培養液を作成し、

そこで真皮の構成成分である線維芽細胞を培養するという実験。

 

結果、筋肉細胞中のマイオカインの量が多いほど、

線維芽細胞の増殖およびコラーゲン産生量が増加したそうな。

 

つまり、顔の筋肉である表情筋から産生されるマイオカインが、

細胞活性を高めてコラーゲンの産生を促進することにより、

肌に弾力性を与えている可能性が示唆されたわけです。

 

肌のコラーゲン量を維持するために、表情筋を動かすことは

有効な手段であるってことですわね。

逆に、シワ取りのためにボトックスなどの神経毒を使って筋肉を

麻痺させるってやり方は、結果として肌のコラーゲン量を

減少させる可能性が高いともいえます。

麻痺させたら、当然マイオカインなんてでませんから。

 

 

また、乳酸値が増加すると、マイオカインの産生が減少するとの結果となっており、

筋肉のコリが、マイオカインの減少につながることも示唆されています。

 

顔の筋肉って、思っている以上にこっているものです。

ヒトの接する機会が多い人は、ストレスや緊張で、

逆にほとんど人と接しないと、表情筋を使わないので、

結果として筋肉がコリ固まります。

 

顔マッサージもなんだかんだで有効性が示されたともいえるのかなー

 

 

まあ、ファンケルの研究結果なので、

それを利用した商品展開があるとは思いますが、

サプリでくるのか、化粧品でくるのか・・・

 

今後の展開が気になる話です。

 

 

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