ダエダリアエキスMB
キノコの培養液ってのは珍しいんですよ。
なぜかと言うと、菌や細菌よりも複雑な構造をしており、
酵素の種類も全然違います。
キノコで発酵とか、正直何ができるかわからないので、
かなり専門的な知識と技術が必要となります。
とりあえずやってみました~
ってノリでやってしまうと、とんでもないことになりかねません。
まあ、キノコの培養液ってのであれば、
そこまでのリスクはないですけどね。
子実体であれば、培養が困難ですが、菌糸体ですので。
(それでも培地には工夫が必要ですが)
ダエダリアエキスMBはホウロクタケの培養液を
濾過していられたもので、ゲオール化学のオリジナル原料。
そういえば、使ってたなーなんて思ったりしたのでご紹介。
長年、キノコから機能成分を得られないかの研究をしていたそうで、
なんと200種類を超えるキノコを調べた結果、
ホウロクタケにたどり着いたそうな。
ホウロクタケとは広葉樹の枯木や切り株上に生えるサルノコシカケの仲間。
ホウロクとは素焼の土鍋のことで、素焼きの鍋と色が似ていることに由来するのだとか。
学名はDaedalea dickinsii
日本をはじめ、東アジア全体で分布しているそうな。
ホウロクタケの培養成分は強い抗酸化作用と美白作用を有することがわかりました。
まあ、美白作用があるものを選別していったら、結果としてこのキノコの活性が
一番高かったってことだと思います。
その後、信州大学との共同研究を経て、
ホウロクタケが特定の培養条件のもとで作る daedalin A
という成分によることが明らかになりました。
ただ培養すればいいってわけではなく、
daedalin A が最大化するための条件があり、
それを満たしたものが原料として利用されています。
こちらは daedalin Aのチロシナーゼ阻害効果と抗酸化力を調べた論文。
細胞の生存には一切影響を与えることなく、メラニン生成を約60%阻害したとのこと。
アルブチンよりもずっと高い活性があるそうな。
A tyrosinase inhibitor, daedalin A, from mycelial culture of Daedalea dickinsii
こちらは daedalin Aを同定した論文ですね。
高い美白効果と抗酸化力が確認されています。
メラニンの合成を阻害するとともに、
抗酸化によりメラニンの酸化を抑制して黒化を防ぎます。
とはいえ、ほかの美白成分と同様、
あくまでメラニンを作らせないようにするもので、
出来てしまったメラニンをどうこうするものではないです。
ですので、シミが消えるとかないです。
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